オロドウ日記

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しくじり企業 エンロン

エンロンの動画で語らなかったことを語りたいと思います。

しくじり企業 Chapter01 ~エンロン~ by 係長 歴史/動画 - ニコニコ動画

 政治との関係

倒産と直接的には関係なかったので省きましたが、エンロンはロビー活動に積極的で2000年の大統領選では民主党・共和党の両方に政治献金を行ってました。特にケネス・レイとブッシュ大統領とは非常に親しく、幹部社員の誕生日にブッシュ大統領からメッセージを送ったとも言われております。政治献金額は20億ドル以上、キャッシュフロー会計の導入や電力自由化にも影響があったよう。エンロンの倒産後、今まで献金を受けていたブッシュ大統領がアメリカ企業は健全として話しをしたがどういう心境だったのか非常に興味があります。

カリフォルニア電力危機

1998年のカリフォルニア電力自由化が始まり、その後2000年夏にそのカリフォルニアで大きな電力危機が発生した。電力需要は事前の予想を大きく上回ったのは事実。環境規制で高コストを懸念して需要に対応した発電設備を新設しなかったのもある。エンロンはシステムを悪用して、電力供給を調整、カリフォルニアの電力を絞り他の地域に過剰に供給して市場価格を操作して裁定取引を実施。エンロン関係者がこのシステムの話しをしていた時の会話内容が暴露されましたが、笑っておりました。モラルも感じられない会話で完全な自由競争の慣れの果てを見た気がしました。

監査法人の関係性

エンロンは市場稀に見る不正会計を行っていたが、この不正会計に対して本来チェック機能を果たすべき監査法人はなにをしていたのか?エンロンの担当監査法人はなぜチェック機能が果たせていなかったのか?問題としては毎週100万ドルがエンロンからアーサーアンダーセンに振り込まれておりました。実はアーサーアンダーセンはエンロンに対して監査を行うと同時にコンサルティングを行っておりました。ここが大きな問題点でした。監査を行うと同時にコンサルティングを行うと監査でなにか問題が起きたとしてもコンサルティング内容を否定することになり問題を指摘できないという矛盾が発生してしまい、構造的欠陥がありました。そもそも監査法人のコンサルティング業務は非常に重要な収入源となります。監査報酬というのはある程度上限が出ます。しかしながらコンサルティングについてはいくらでも行得るため、魅力的な業務だったのです。80年代以降積極的に実施されていたようですね。現在では禁止行為なようですが・・・。

エンロンから学ぶべきこと

企業の社会的責任は会社を構成するなかでは非常に重要なファクターであることがわかります。企業がグローバル化してますます社会に影響力が出た企業にとってはそれ相応の責任も負うべき。理念なき企業の利益追求の慣れの果てそれがエンロンだと思います。

監査機能の重要性が改めて学べました。現在問題になっている東芝の減損会計も金額の大きさからすれば恐らくは監査法人も認識できた案件です。逆に認識出来なければ監査法人の能力が疑われます。しかしながら監査を受けた経験がある私に非常にめんどくさいもっと簡単にしてくれやと思うこともしばしば・・・。

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