オロドウ日記

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DeNA キュレーション問題の本質とは

前回、DeNAのキュレーションサイト問題について纏めましたが、今回は掘り下げです。

 

www.cakaricho.com

 

目的なき事業

このキュレーション事業は何のためにやるかという事業目的が明確ではなかったようです。唯一あるとすれば利益のみでしょう。

代表者の守安氏はKPIとしてDAUや記事数などを目標におき、記事の質は問いませんでした。目標を達成するためにガチャで得た利益を源泉とした資金力にものを言わせSEOを行い、外部委託で記事数を増やしていきました。

その結果、低質でユーザーにとって何の意味のない情報を発信した事により、ユーザーへ価値を提供していませんでした。そもそも、DeNAにとってキュレーションそのものの定義が曖昧だったようです。

コンプライアンスに対する意識の低さ

次の問題点としてDeNAはコンプライアンスに対する意識が低すぎでした。

DeNAの法務担当者は法的リスクについて指摘していたにも関わらず、報告書を見る限りでは議論した痕跡はありません。ゲーム事業の頭打ちを危惧し、次なる事業の柱を見つけるために焦っていたと思われます。

DeNAが標榜している「永久ベンチャー」というスローガンは免罪符となり、利益とスピードを追求した結果コンプライアンスを軽視する遠因なったと思います。ベンチャーだから様々なチャレンジを行いスピード感をもって事業を拡大する、だが法令違反を行う理由にはなりません。

問われたキュレーションメディア

今回の事件により影響があったことの一つとしてキュレーションメディアそのものに対して議論を呼ぶきっかけになりました。キュレーションなんてものは情報の万引き、人のふんどしで金儲けしているという意見もありましたが私はそう思いません。

ironna.jp

世界中では毎年300億のブログ投稿され、1820億ものツイートが流れており、キュレーションに限らず情報整理・フィルタリングという分野は今後もっと必要になります。その中でキュレーションやまとめサイトのようなものをなくすというのは疑問です。メディアの発信元へ利益を還元する方法を議論したほうがよっぽど建設的だと思います。

問うべきはDeNAという会社

DeNAのキュレーションサイトと読んでいたものは、そもそもキュレーションサイトではないと思います。自分達マニュアル化して組織的に記事を作り、ユーザーとしてアップしているただのマッチポンプサイトです。

問うべきはDeNAがメディアと謳いながら、低質な記事を作り続けそれをSEOで検索上位にしたとによりユーザーが誤った情報を見させられたという、メディアとして悪質な行為を問うべきで、かつユーザーが作ったこととしてプロバイダー責任法を悪用して責任回避をしようとした倫理観を問うべきだと思います。

村田マリは何処へ?

村田マリについてDeNA側から役員辞任の意向を示すのみとして、今回の騒動の事業責任者として一切表舞台に立たなかった理由が不明です。

彼女は法人税が安いシンガポールに在住しており、会社の株式はDeNAに売却(売却額は他の会社を含めて50億円と言われている)済みで既に利益を得ている。こういう人たちが一番金持ちになるんですかね。

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