オロドウ日記

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規模の経済の限界を迎えたヤマト運輸

運輸業界でトップを走っていたと思われるヤマト運輸が今絶賛大炎上中です。

 

ヤマトって儲かってるの?

ヤマト運輸は宅急便取扱個数が日本最大で、2016年3月期では17億個も扱っております。業界第二位の佐川急便が2013年にAmazonから撤退して以降、取扱個数と売上は着実に伸びているようですが、ここに来て急激な曲がり角に直面しました。

ヤマト運輸の満足度は非常に高いと思います。私もAmazonで注文した時にヤマトから届くことがわかると安心感が出てきます。顧客目線でサービスを拡充、他社ではできなかった時間受取してい無料再配達などが評判で、宅急便シェアでは5割近く握っている状況です。

この圧倒的なシェアで規模の経済で物流拠点や設備拡充させて、ロジスティクスに関するノウハウを蓄積して収益性を高めていく・・・という戦略でしたが、売上は拡充しているが、利益があまり出ておらず、現場の従業員も対応が限界となり、労働組合が宅配便に荷重量の抑制を求めるという異例の事態に繋がりました。

圧倒的な人員不足

 私は、『仁義なき宅配』を書くため2014年夏、ヤマトの羽田クロノゲートで1カ月働いた。夜10時から朝6時まで7時間労働。深夜手当を含めても1万円にも届かない職場では、半分近くを外国人労働者が占めていた。

 宅急便のセールスドライバーは、昼食時間を削って荷物を配り続けても、最後の時間指定の夜9時までに終わらない。サービス残業も日常化。ドライバーの募集をかけても、きつい仕事が敬遠され、思うように人手が集まらない。

 

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人が集まらない→残業が増える→きつい→離職者が増える→さらに残業が増えるという悪循環に陥ってます。たくさん荷物を運んでも20円しか従業員にインセンティブをもらえず、50個運んでも1000円しかならないと嘆いております。

想定外のネット通販の伸びと再配達

この原因ははっきりしており、楽天やAmazonなどのネット通販が急激に伸びたことによるものだ。もちろんヤマトも物流拠点の増加などの投資を行って効率化を図っているがそれ以上に取扱個数が伸びています。

もう一つの問題は再配達による問題です。昔と違い、共働きの家庭が当たり前になってきており、一人暮らしも増加している時代なので、荷物を簡単に受け取るということは難しいです。不在が多い一人暮らしのような人間こそアマゾンなどを利用するため、余計に再配達が増えてると思われます。

では、ネット通販を使う人間がたくさん使うのが悪いのかと言えばそうではないと思います。

ヤマトのビジネスモデルの限界

結局のところこれはヤマトがシェアを確保するために、アマゾンが提示した運賃250円という価格をヤマトが飲み込んだことに原因があると思います。ヤマトの宅配の2割と言われており、依存度も高い状況にしてしまった結果にあると思います。

今期の営業利益を580億円と見込んでおりましたが、過去にもあった未払い残業代を支給していなかったことがわかり、数百億円規模の可能性が出てきました。つまり、今の宅配事業ではほとんど儲けが出ていなかったということがわかります。

ヤマトは手厚いサービスでシェアを拡大して勝って来ましたが、その規模の経済を狙ったビジネスモデルも限界に達していると思われます。人口減で働き手が少なくなった時代には合わないかもしれません。

 

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