マイカル回で今回がラストです。
困難だった更生計画案の承認
マイカルはヤオハン、JAL管財人でもあった瀬戸英雄弁護士を中心に更生計画を作成した。更生計画は債権者の同意が必要ですが、その債権者が非常に多く実行が非常に困難でした。社債だけでも4万人、2000億円以上あります。債権者一人一人を調査して通知を送り説明会を開いて同意を得るという地道な作業が続きます。メインバンクなどの負担割合などで揉めましたが、それ以上に厄介な存在が現れました。
当時話題となっていたハゲタカという存在です。主に外国人投資家が日本企業を買い漁って、切り売りするという手法が横行しておりましたが、マイカルもそのターゲットとなりました。彼らは不良債権投資マーケットから不良債権を買い漁り、大口債権者として発言権を高めました。ハゲタカは独自の更生計画案を提出して、管財人達の計画を阻みました。
社債を購入した人は様々いて、つくばエクスプレスを運営する、首都圏新都市鉄道や教員互助会など様々です。彼らは自分たちの債権をカットする計画を決して認めようとはしません、認めた時点でその人の責任が問われるからです。
これら様々な債権者に説明を行い、債権者の同意を得て、更生手続の申し立てから1年10ヶ月で更生計画の承認を得ることができました。
店舗の再構築
マイカルの売りはなんといっても衣料部門であったが、すぐに結果が出ない衣料部門の再生は後回しにして、先に食品部門の再生を目指した。自身で作る惣菜部門もあり毎日消費して、他店と価格以外で差別化しやすいので、この考えは間違っていなかった。その食品部門はリスクが高いということで外注化していたので、全て直営化させた。さらに肉の加工技術を高めるために技術センターで研修を行い肉の品質を高めた。
問題視していた、縦割りによる商品ミックスという手法に手を出せていなかったのは、担当者に対して2重の異動を命じるという荒業まで行った。そのようにして徐々に縦割り文化をなくしていった。
スピード終結
不採算店舗の削減などでスリム化して、動画でもお伝えしましたがこれらの施策プラス元々のマイカルの強みが加わったことにより業績は急回復しました。もちろん、財務体質の改善や借入の利息がなくなったなど、要因は様々ありますがね・・・。
2005年にマイカルの更生手続きの繰り上げ集結を宣言。2000億円の更生債権を全て弁済させた。管財人の瀬戸弁護士は退き、法律顧問として事後処理に関わりました。2006年には5年9ヶ月ぶりの新店舗盛岡南サティがオープンして、マイカルは過去の清算が完了して前へ進みだしました。
現在ではマイカルの名前がなくなりましたが、イオンのブランドに生まれ変わり今でも多くの店舗は続いております。
ショッピングセンターも法的に新規着工が難しくなり、コンビニも飽和状態になりつつあります。人口減少により国内消費が下がることは避けられませんが、小売は今必死に新しい動きをしております。外国人観光客を積極的に取り込もうとしたり、海外に店舗を構えるなどが代表的ですが、移り変わりの激しい外国人観光客、文化が違う国での海外出店はうまくいってないことが多いようですが。
この10年でまた小売業界は大きく変わるかもしれないですねぇ。
マイカルの復活はえーー。
要因は財務体質の改善が大きいらしいな。
形上2013年をリミットにしていたが
こんなに早く回復するとは関係者も予想外だったようだな
こういう事例みるとさっさと倒産した
方がいいだろって会社多いよね
ノーコメントで