オロドウ日記

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最後まで上から目線のカネボウ

カネボウについての最後のまとめ的な記事です。

 

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【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter10 ~カネボウ~

上から目線で産業再生機構入り

カネボウは産業再生機構の支援に入ったあとについて前回のブログにも書きましたがもう少し掘り下げます。そもそも花王への化粧品事業売却も直前にして頓挫しました。大きな権限を持っていた労働組合に拒否されたためと言われていたり条件面で花王との溝が埋まらなかったとほざいてますが、当時の花王の社長は「溝はないと思っていた」と語っています。

そもそも産業再生機構からの支援に関しても勘違いを感じる。当時の常務である嶋田は「取引先金融機関への債権放棄は求めず、強い企業をより強くするための前向きな方法だ。化粧品事業だけが支援先で再生機構が優良な事業会社に資本を入れるというスキームだ」と語っている。要は債務超過629億円であっても、俺らは強いから泣いて頼んでいるのではないと言っている。

機構の資産査定だから緩くなると考慮して、花王の売却額である4500億円を程度の金額より高いと踏んだようです。もちろん債権放棄も決まり、化粧品事業の資産査定は3800億円でフィニッシュして当初の目論見が完全に外れた。

帆足隆

社長の帆足らの経営責任を問う質問も多かった。その回答は「やめるのは簡単だが、会社の経営基盤をしっかりとまとめることが重な責任。その後の進退はその時自分たちで決める」と言うものでした。この回答は国民の怒りを買ったようだ。産業再生機構の支援は税金の投入であるのですが、その認識は帆足にはなかったようだ。

帆足らの経営陣が退陣するときも帆足は最後まで拒んだ。帆足は「カネボウの化粧品部門は私がいなくなれば駄目になる」と幹部に漏らしたそうです。ある幹部はカネボウ化粧品に自分の地位を作ってくれと解釈した人もいたようだ。経営者としての意識がわかる。

まとめ

カネボウはオイルショック以前は日本で最も輸出を手掛けた超名門企業でした。しかしオイルショック以降は環境の激変についてこれずにゆっくりと沈んでいきました。なぜ沈んでいった理由を私なりに総括したいと思います。

まず一つが粉飾決算。何度も指摘しましたが、粉飾により実情の認識が遅れて問題を先送りにした結果大きな決断が出来なかったと思います。

次にトップの絶大な権力とおごりです。会社にはトップ主導による経営はよく見られると思います。伊藤淳二や帆足隆はカネボウという巨大な企業を引っ張るほどのキャパシティがないのにもかかわらず、自分の能力を過信してしまった。権力を集中させて、酷いノルマを出して数字を無理矢理作らせた。企業の巨大化に最後まで固執して結果膨張させて沈ませたのは経営陣の迷走があった故にカネボウが沈んだんだと思います。帆足や伊藤は最後まで自身の経営に自信を持っていたことは、粉飾で作り上げた数字を見て言ってるのだと思いますね・・・。

最後はこれは日本人全般に言えることですが、切り捨てるのが難しかったというのが今回一番学べたことだと思います。日本人は再生や修正をすることは得意ですが、破壊と創造が苦手だと思います。もっと早めに祖業を切り捨てれば、今なお名門企業に君臨していたかもしれませんね。

 

日本人ってどうしても勿体無い精神が働いて

切り捨てが難しいんだよね

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従業員を家族のように扱うっていうのも

足かせになったよな、家族に◯ねって言ってるようなものだし

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                              まー引き際って大事だよね

                             空気読まずにい続けたら半端ない悲しさが・・・

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・・・なにがあった?

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