アタリのその後の後編となります。
アタリコープ
話しを戻してアタリで分割された家庭用部門ですが、コモドール64等のホームコンピュータを製作するコモドールの社長のジャック・トラミエルがコモドールを追放された後の1985年に買収します。
以前からパソコンを販売しておりましたが、後継機としてAtariSTを発売して、MIDI標準搭載ですのでミュージシャンなどに愛用されました。
復活を賭けて!Atari Lynx
そして1987年頃から米国のゲームソフトメーカーのEpyx社がHandyという携帯ゲーム機を開発しており、1989年1月に開かれたCESで公開され上々の評価を得るも、問題が発生しました。Epyx社がメインプラットフォームとしていたコモドール64が販売不振に陥ったことにより、引きずられて会社全体の売上が減少。さらにハードの開発費用も嵩みます。そのためEpyx社はアタリコープと組み生産とマーケティングを行うことで合意して生まれたのがAtari Lynxです。
結局Atari Lynxはゲームボーイのソフトラインナップに歯が立たず、自慢のカラー液晶もゲームギアの登場により、空気の存在となりました。しかも携帯ゲーム機史上最も重く、大きい事が災いして商業的に失敗となります。
最後の希望?Atari Jaguar
アタリコープ社はAtari Lynxにそうそうに見切りをつけて開発していた据え置き型ゲーム機に資源を集中させました。そのゲーム機がAtari Jaguarです。3つのチップに5つのプロセッサを搭載しためんどく・・、珍しいゲーム機。
コントローラーには3ボタンとテンキー(米国人はテンキーが好きなようだ)で構成されて、着脱可能なのだが、「ネズミが家のどこかで屁をしたら抜け落ちる」と言われ、最悪なゲームコントローラートップ10に選ばれた。カートリッジ式だが後日CD-ROMドライブも発売。
ご想像の通り売上は燦々たる結果で、日本では秋葉原やトイザらスなどの一部の店舗のみの販売で3000台のみ、米国でも15万台程度で全世界で25万台しか売れなかった誰もが認める残念なハードとなった。これ以降アタリコープはゲーム機を販売しなくなりました。
いろいろと拡張性を持たせてるようでメガCDのようにCD-ROMドライブを搭載できたり、Jaguar VRというAtariの名作ゲームを3D化してリリースするプロジェクトもあったようですが、販売一席が不調によりプロジェクトが中止されました。
↑JaguarにCD-ROMドライブを搭載した様子。
これが現状リリースされたアタリ社最後のハードとなり、これ以降新ハードは出されておりません。
Atariブランド復活
アタリコープは1996年にHDDメーカーのITSに吸収合併され、その後アタリの知的財産権はハズブロにより買収されます。アタリの知的財産権は子会社のハズブロ・インタラクティブが持つことになりますが、このハズブロ・インタラクティブがフランスのインフォグラムに買収され、インフォグラム・インタラクティブとなります。
2001年にインフォグラム・インタラクティブがアタリ・インタラクティブを完全子会社として復活させ、アタリブランドを復活しました。そしてグループ再編を行い、地域ごとに分割してアタリ社の名前を使用して、親会社(インフォグラム・エンターテインメント(IESA))は持ち株会社となります。この結果親会社以外のほとんどのグループ企業はアタリと名乗るようになります。北米のAtari,Inc.は公開会社でしたが、再びIESAに完全子会社となっております。
結局IESAは2009年5月にIESAの名称をアタリに変更することを発表しました。ただ、米国のAtari Inc.が2013年1月に米連邦破産法11条して経営破綻。フランスのAtari S.A.から独立しております。
そして2017年にアタリが20年以上息を潜めてた、据え置き型のハードは発売すると発表しております。
クラウドファンディングによる資金調達で、アタリの往年のゲームが遊べるということですが、AAAクラスのハイエンドゲームは遊べないということです。
紆余曲折を経てやっと表舞台に出てきましたね
往年のゲームが遊べるということだけど
どういう感じになるんだろうな
これでE.T.が遊べたら我先にみんな実況するんだろうね
予想が具体的すぎる