先日Youtubeにてしくじり企業をアップしました。後半は1,2週間後を予定しております。
【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter16 ~ダイエー~前半
んで、今回ですが久しぶりの決算関連のブログです。本ブログで追っていた、AppBankについての本決算発表がありましたので見てました。
前回のブログ
業績
期首予想(2016年決算発表資料)カッコ内は前期比
売上高:2,550百万円(+9.3)
売上総利益:1,150百万円(+22.9)
営業利益:50百万円
経常利益:40百万円
純利益:25百万円
予測修正(2017年8月10日発表)
売上高:1,800百万円(期首予想比較で▲29.4%)
営業損失:▲290百万円
経常損失:▲310百万円
純損失:▲410百万円
※▲はマイナス表記
実績(2018年3月2日発表)
売上高:1,829百万円
売上総利益:625百万円
営業損失:▲269百万円
経常利益:▲275百万円
純損失:▲459百万円
業績について
期首ではメディア事業では、非ゲームジャンルへの積極的進出、海外ゲームメーカーとの協業を模索するなどを挙げており、ストア事業では店舗網の拡充と新業態への挑戦、自社ブランドの展開を挙げてます。
前期に挙げた強み
今期に新たに挙げられた事業環境
勝手な解釈ですが、前期は成長戦略を描いていましたが、今期はいいわけがましいものを感じとれます。
メディアに関しては売上が下がっているにもかかわらず、アプリ開発費用などの外注費や様々な法務や内部統制関連で費用が増加(恐らく炎上関連?)。売上は下がったが、販管費が増加したことにより、前期より多くの損失を生んだようです。
ストア事業に関してはさらに悲惨です。前期の売上が1,448百万円としており、今期の売上を1,541百万円と予想していたが、実際は1,008百万円と3割減となっておりました。元々期首の計画ではこのストア事業の伸びでメディア事業をカバーしていく形としていたのが、損失になった形です。
店舗網を拡大すると言いながら、中間の発表で市場環境が飽和状況で、売れないから不採算店舗を閉鎖するというのはあまりにひどいのではないのしょうか?AppBankはマーケティングをやっていないのでしょうか?不採算店舗の閉鎖に伴う特別損失を多く計上しております(特別損失142百万円)。
分析
ここからは情報を総合的に見た私の勝手な分析なのですが、そもそもAppBankが急激に業績が悪化したのはリワード広告の撤退から始まります。
収益源をなくして、新たなビジネスモデルを出さなければならないので、全面に出したのがストア事業だと思います。ユーザーの意見を取り入れたPB商品を全面に展開していこうと思っていたようですが、スマホ関連の市場はすでに飽和状態で革命的な商品がない限り成長は難しいです。そもそも始めたのもYoutubeなどでの人気や収益で成り立つものだったにも関わらず、炎上関連で売上が激減したのではないでしょうか?多くの店舗が不採算店舗だったのがわかり、早めの店舗閉鎖を実施したのだと思います。
恐らくは計画策定時にトップが「利益が足りないからもっと増やせ」とでも言ったんですかね?
キャッシュがまだある程度あるようですが、今期と同じような業績であればキャッシュは危険水域に達するのではないでしょうか?純資産も大きく減っているので、再来期あたりには債務超過も見えてくるのでは?
いずれにしろ歴史が短い企業に対して、この業績はやばいと思います。
そして致命的なのはビジネスモデルを描けていないこと。決算資料を見ましたが、ビジネスモデルや事業機会の部分が非常に抽象的で、その割に外部環境を多く記載している状況です。今回また下方修正するようであれば、代表交代もあるのではないでしょうか?3期連続の赤字はさらなる株価の暴落を招くことになると思います。
今後も半期ごとの決算内容をブログにしますね。