オロドウ日記

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安宅産業と石油

どうも係長です。バタバタしてブログや動画の更新が滞り気味でした。ちょっと気合いを入れていきます。


【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter19 ~安宅産業~

今回は安宅産業をチョイスしました。予想以上にカオスな企業だったので、作った後に動画を改めて見るとやばい企業だなと素直に思いました。

今回解説するのは安宅産業破綻の直接的な引き金となった、石油取引事業について掘り下げます。

 

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なぜ石油事業をやりたかったのか

安宅産業は総合商社の中で最も売上規模が劣る企業でした。挽回するには石油事業などのビックプロジェクトなどを行う他ありません。

戦後、安宅産業はGHQによる集中排除法、いわゆる財閥解体のターゲットとされました。安宅産業は当時の副社長で後の社長となる猪崎を中心にGHQとの交渉を行い、財閥解体から免れることに成功しております。このとき最も活躍したと言われるのが、高木でした。高木はハワイ出身の日系2世で貿易商に務めておりました。1943年に安宅産業に入社することになりますが、敗戦後に堪能な英語を武器にGHQとのパイプ役になることで脚光を浴びます。

安宅産業はニューヨークへの再進出を目論んで、その先鋒として高木に白羽の矢を立てます。20年間ニューヨークで働きますが高木に対しての評価は、とてつもない大きなプロジェクトを持ち込むか、チームプレーができない人という極端なものです。高木は「アメリカに第2の安宅帝国を築く」と豪語するほどの野心家でした。高木にとって日系2世というのは武器であると同時に「所詮は英語屋」というようなコンプレックスと感じる部分であったとも言われております。

高木とシャヒーン

高木はこの大きな野望を実現するために、石油事業を手がけていたシャヒーン氏に接触を図ります。シャヒーンは最初安宅を知りませんでしたが、NRCの運転資金を用立ててくれるということで取引を開始することにしました。シャヒーンは当時他の総合商社にNRC計画を持ち込みますが、資金計画の杜撰さやシャヒーン氏自身の怪しさから断れていました。その中で安宅アメリカ社長である高木は十分な分析をせずにシャヒーンとの取引を開始しました。

NRC計画とは?

NRC計画の中身について解説しますと、このNRCというのはニューファンドランド・リファイニング・カンパニーの略で、中東から安い石油を輸入し、カナダのニューファンドランド島に運び込み、石油工場を建設し、アメリカ東海岸の石油市場で売却するという流れでした。当初はニューファンドランド州設立を計画していたが途中でやばい取引(政治的)ということがわかり頓挫しました。シャヒーンはなんとかNRC計画を実現させようとしたところに安宅産業が来たという形です。

1973年6月に安宅産業はNRCとの総代理店契約を結びL/C(信用状)を開設します。そしてこの契約の数日後に高木は安宅本体に黙って、無担保で4200万ドルを10年以上貸し付けるという補助契約をNRCと結びます。これは高木がなんとしても石油取引の契約を結ぼうとしており、そこにシャヒーン氏がつけ込んだ結果だと思われます。

10月には石油精製所の開所祝賀会がニューヨークから豪華客船のクイーン・エリザベス2号で盛大に行われました。ちなみにこの4日前にオイルショックの引き金となる第四次中東戦争が勃発しております。

高木はこの代理店契約について「銀行とも相談したことであるし、本店も知っていた」と謹慎中の身で語っていたようです。

赤字精製所NRC

NRCは実際に稼働はしたもののいくつもの問題が発生しました。まず一つがなんといっても第四次中東戦争による原油価格の高騰により、前提としていた安い石油が手に入ることができず、目論んでいた価格より何倍も高い原油を精製することになりました。さらにアラブが販売ルートも頼りにしていたユダヤ系の石油販売会社をボイコットのリストに載せた為、販売ルートが断たれます。

精製所に関しても、建設コストが高騰したことにより、工場が手抜きで建設されて、重要な部分に不具合が生じ、精製された石油の純度が下がり、赤字を大きくする要因になったとシャヒーンは言い訳をしております。

さらに石油を運ぶ為のタンカーにも問題がありました。NRCの原油精製能力は日産で6万バレルで、タンカーは20万トン級であれば4隻で十分でしたが、NRCはなぜか7隻も用意しておりました。これについてははっきりしておりませんが、今後の拡大計画に対応する為、単価が安いうちに契約をして、高騰したら他に回して利ざやを稼ぐつもりだったのではないかと言われております。しかし実際はオイルショックの不況により海運市況も下がり、固定費を増やして赤字幅を広げる要因にしかなりませんでした。

これらの要因によりNRCは毎月日本円で30億円の赤字を精製することになり、安宅産業を苦しめる要因となりました。

 

石油取引に俺も混ぜてくんない?

お金用立てるからさ!無担保で返すの10年後でいいよ!

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売上がほしいのがにじみ出てるよな。

こりゃシャヒーンじゃなくても

色んなところから足下見られてたと思うぜ。

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       むしろお金払うからうちを通してよ!

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こんなこと言ってるやつ怖くて取引したくねぇわ

 

次回は国内のカオスな取引実態を解説します。

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