ニコニコ動画について投稿者側視点と株主視点の2つで書きたいと思います。
動画業界はレッドオーシャン
ニコニコ動画の過疎化が止まりません。プレミアム会員数が減少に舵を切りはじめMAU、DAU(アクティブユーザー)が共に減少している。
唯一のポジティブ要素として、ニコニコチャンネルの月額有料会員数が順調に増加している。しかしながらライブなどを含めた全体の売上は下降線の一途を辿っている。なぜここまでオワコンと言われるようになったのか?
競合他社の増加が要因の一つだと思います。以前は動画配信サイトと言えばYouTubeかニコニコ動画の2択でした、ライブ配信はTwitchかUstream、ニコ生のプレイヤーがものすごく限定されていた世界でした。
現在では動画配信サイトはYoutubeが圧倒的なシェアを誇るようになりました。動画サービスというジャンルまで広げればdTV、Hulu、Netflix、Amazonプライムビデオ、AbemaTVなど、ここ数年で一気にレッドオーシャンへと変わりました。
ライブ配信はUstreamが退場しましたが、Twitchが伸びてきてYouTubeもライブ配信ができるようになりここも様相が変わってきました。
ニコニコ動画はオワコンへ
ニコニコ動画はコメントと登録制という少し敷居を設けたことによって独自の文化圏を形成して伸ばしてきました。YouTubeと比較できないと思われてきましたがそうも言ってはいられません。
会員登録制にしといて3DSやWiiUなどデバイスを広げて、登録制の意味が皆無になってきてます。
動画のコンテンツはボカロや淫夢などや実況動画が中心であって、代わり映えしない状況。新しい動画を見つけようと積極的に広告チケットを配信するがインフレ気味になっている。
ゲーム実況もマネタイズ化を進めて、クリエイター奨励プログラムを推進しているが、YouTubeのほうが儲かるので有名実況者や新規がYouTubeを主戦場へ移行。チャンネルを維持するためにやっていると思われます。
そして基本的に動画配信サイトとしての技術力が他社に比べて周回遅れ気味になっているのが勝てる要素をなくしていると思われます。他の動画サイトは以前よりHTML5を導入しておりましたが、ニコニコ動画は2016年にHTML5化してエセ高画質(設定によっては以前より動画の画質が下がる)という結果になっています。
ニコ生も4月13日に2Mbpsまでビットレートを引き上げたと発表されたが、YouTubeは4Kに対応している51Mbps。ドラゴンボールに例えると初期のベジータと第一形態のフリーザ様ぐらいの差があります。
カドカワはWebサービス事業を売却すべき
いろいろな要因はあると思いますが、一番大きな原因はカドカワがWebサービス事業に投資する意思がないからだと思います。
カドカワは研究開発費用として第3四半期決算時点で累計2億円計上しております。しかしながらこの費用は映像・ゲーム事業を含めた研究開発費用、少なすぎますね・・・。
AbemaTVなどはスタートアップなので比較にできませんが、200億円の赤字を出し、それだけ投資をしている状況。
Netflixは優秀なエンジニアを雇い動画エンコード最適化技術を研究しており200kbpsでも良い視聴体験を提供する予定というなんとも羨ましい話しです。
カドカワの書籍事業は好調で、今後は大きな物流センターに投資をしてさらなる拡大を目論む。その投資金額は約400億円とかなり大規模な模様です。
今後、動画事業でこの競合他社に勝ち抜く為の投資を行わないのであれば、ユーザーも投資家にとっても良いとは思えない。
ニコニコ動画はカドカワにとってシナジー効果があるとは思いづらい。将来のビジョンがないのであれば、ある程度の収益性があるうちに売却して書籍やコンテンツ部門にリソースを割いて欲しいです。
ニコニコ動画ユーザーとしても意欲的に事業展開してより良いサービスにしてくれる企業になって欲しいです。その意欲がないのであればこのままニコニコ動画はひっそりと終焉していくと思います・・・。