サクラクエストを見てるのですが、東洋経済で「地方創生のリアル」という記事も同時期に見てたこともあって、地方衰退について思うところがありました。
サクラクエスト
サクラクエストとは
「サクラクエスト」とはP.A.WORKSによる2017年4月から放送しているアニメです。旅館あを題材にした「花咲くいろは」、アニメ制作を題材にした「SHIROBAKO」に続く「お仕事シリーズ」の第三弾で地方をテーマにしたものです。
評価が高かったSHIROBAKOと同じ看板を背負った仕事シリーズだけにP.A.WORKSも気合が入っていると思います。
あらすじ
就職活動が全滅状態だった短大生の木春由乃は、以前仕事を受けた事務所からの依頼で寂れた田舎町「間野山」の観光協会に出向し、ミニ独立国「チュパカブラ王国」の国王(観光大使)として、1年間働くことになる。
平坦でどこにでもいる普通の女の子たちが、田舎町で繰り広げる成長奮闘記。
感想(少々ネタバレあり)
少なくとも私は大好きです。コミカルでキャラもそれぞれ立っていて普通におもしろいです。P.A.WORKSのアニメは後半勝負なので、まだ評価には早いですがね・・・。
お気に入りのキャラはしおりちゃんです。ああいう子が職場にいて欲しい・・・。
地方再生というものがあるが、ものすごくリアルで良く事前調査して作ったという印象を持ちました。
1話では昔あった地域振興を目的としたミニ独立国ブームについてや、その後の廃れり方などを描写してました。
2話では主人公が王様として与えられた課題に対して、インターネットのホームページや動画を作ってネットにアップしたりして問題を解決しようしました。
3話では地元住人に対して地方に求める事などを聞いて回って地域活性化のヒントを得ようとするが住民(特に高齢者)の多くは「何も困らない」「現状のままでいい」「よそ者に何ができるのか?」という散々な結果に終わりました。
いずれも田舎や商店街の活性化などで見られるあるある話しです。
地方再生の最大の問題点
このアニメを見て、地方活性化の最大の問題点は地元住人が変化を嫌っているところが問題だと感じました。
ものすごく閉鎖的なコメントだと思いましたが、実際はどこもこんな意見で田舎は閉鎖的というのを良く表現しております。ここでの重要なのは「排除している自分たちには直接的な責任はない」という部分です。
自分たちには食い扶持があってそこを維持したいという願望もあり、変化してその食い扶持をなくされることに不安を覚えているのだと思います。しかしながら物事に変化が起きないことなどありません。成長か衰退のいづれかしかないのです。
アニメでは「将来的には子供も減って厳しくなるだろうけどその頃にはたぶんこの店もやってないだろうし…足掻くだけ無駄ってやつ?」というセリフがありました。確かにこの店だけの事を考えればそうかもしれませんが、地域全体がこんな人ばかりであれば働き手がいなくなり地域全体が活動ができなくなり、行き着く先は限界集落になるでしょう。
結局は他人事
ミニ独立王国やホームページや動画など、どれも共通しているのは当時のブームに乗っていろいろなことを計画して、国から支援金・予算をもらって実施していおります。そして大概が失敗してまた新たなイベントなどを行うが、偉い人は一貫性がないアイディアだけ出して実際にやるのは若者やボランティアの人間が動き、結局付き合いきれなくなり地方を出て行く。
自分たちでお金も出しておらず、動かない・・・。そんな人達のアイディアは他人事に近い様な人々から真剣にブラッシュアップされた意見が出てくるとは考えづらいです。
若者が働くのは当然という風潮がありキツイ仕事をやらせて報酬は若者以上にもらっており、権限は自分たちが持つという体制が多いようです。
そんな意見も言えない状態ではやりがいもなく報酬もないのであれば残る意味は少なくなり、優秀な人から出ていくのが必然でしょう。残るのは老人に都合が良い人間がほとんどになります。
再生への近道
再生への近道は変化を受け入れることが最重要だと思います。それが嫌なら限界集落を覚悟して欲しい。今あるものも捨てて新しいことを行わなければ衰退の可能性が高くなります。
その他には若者に権限を委ねることも重要だと思います。実験を握る人が若者がなり、意思決定を行い報酬もフェアに行う。「最近の若者は我慢が足りない」というような意見を良く聞きますが、本当にそうだろうか?若者に甘えてるだけなのでは?我慢前提でいなければならないのだろうか?
昔と比べるなら、老人一人あたり支える現役世代人口を考えているのだろうか?1950年時点では高齢者(65歳以上)を支える現役世代の人数は12.1人だが、2015年は2.3人。若者だけで全てを支えきれないわ!!
平等にとは言わないまでも、若者、老人を全てを含めた総力戦で問題の解決に当たるべきではないでしょうか?目的の共有と危機意識を持つことが重要だと思います。