オロドウ日記

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JAL病

しくじり企業、日本航空(JAL)の動画をアップしました!

今回は動画にできなかったJALについて書きたいと思います。

アグレッシブな会計

あるのではないかと思われるかたもいると思いますが、安心してください。やはりありました「粉飾」。この場合は某電気会社十八番の不適切会計というべきでしょうか。

まず動画にもあったのが、ジャンボなどのリースしている飛行機に対しての減価償却あるいは減損処理です。本来であれば費用処理をすべきだったのですが、放置して簿外債務となっておりました。

その他にも退職に対して本来引き当てるべき退職会計を盛り込まなかった。何度か盛り込んだ会計処理を試みようとするが、会社の経営状況が悪化するなどで結局は先送りすることになりました。

その他にはクレジットメモと呼ばれる機材関連報奨額というもの。日本の航空会社独自に存在する会計科目です。内容は航空機を購入した際のリベートや値引きです。本来100億円の航空機であるものを交渉などにより90億円に値引きしてもらいます。普通の考えであれば90億円をバランスシートに資産として計上するところを、100億円をバランスシートに乗せつつ10億円を利益にするという手法です。ANAも同じように計上しておりましたが、05年3月期でこの手法は取りやめております。これは上記の減価償却をしていないことを考えると処分をした時に一緒に処理されるという結構悪質な処理だと思います。

もう一つが退職給付金関連です。JALは退職給付制度の設計を替えて、積立不足の年金債務を減額させて、減少分を利益に計上するという手法です。これにより1000億円の利益を計上して、赤を黒に変えたようです。

JALの財務部門は粉飾すれすれのきわどい会計処理に長けているという、間違った方向に能力を全振りしている集団だったようです。監査法人も常にギリギリで生きていたアグレッシブな会計処理と指摘するやり口とのことです。

JAL病

JALの体質は異常で、責任体制が明確化でされていないようです。

利益が上がってないときでも社内官僚達はふんだんに交際費を使用しており、「税金を払うぐらいなら社内で使うんだヒャッハー」という感じだったようです。航空会社というのは自分たちで新たな価値を創造しづらいにもかかわらず、高給取りが多いようです。出世をするために社内官僚になり、会社も社内官僚を臨んでいて、意欲的な社員がなかなか出てこない環境下だったようです。

その結果、経営危機になっても打開策が出てこず閉塞感が生まれ倒産へ突き進んだとも言われております。同期200人の内50人が東大卒、50人が慶応卒。東大卒は現場を希望せず、経営企画や人事といった部門に希望したようです。

現場感覚がない人間が小さな派閥を作り、のし上がり会社を牛耳るというような構造です。さらには官僚と言いますが、実際は官僚より仕事も勉強もしてこなかったようです。JALは正に大企業病の末期だったと言えるでしょう。

 

会社が成長して高学歴が多くなって官僚的な会社になるって結構聞くよね

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アグレッシブな会計というが要は問題の先送りというだけだからな

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                                でも実際めんどくさい問題って先送りにしがちだよね

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ちょっとは焦ろよ独身貴族

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