オロドウ日記

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コンパイル倒産の理由 しくじり企業

先日アップしました動画のしくじり企業の話しの動画に載せられなかったコンパイルの社風や倒産理由の追記について書きたいと思います。事前に動画を見ていただくことをおすすめします。

 

魅力的な社風

ぷよぷよが絶頂期だった96年春の新卒採用人数は65人で、これは広島県でも当時トップクラスの企業で、お金で苦労は多いが人で苦労したことはないというのを仁井谷社長は語っていたようだ。会社案内送付希望者4,500人、リクルート向けセミナーの参加者数は1,300人と人気はトップクラス。コンパイルのぷよぷよを含めたゲームと社風に惹かれていたようです。平均26~27歳で大部屋で出入りは自由に行っており、社員は自由に意見を出し合うことができたようです。

問題視された人事育成システム「丁稚制度」

コンパイルという会社の特徴として人事育成システム丁稚制度というものがあったようです。様々な形態はあるにしろ丁稚制度というのはたまに見かける制度ですが、ここの丁稚制度はプログラムを書けたりすると1点など、部門毎に設定された点数を重ねていけば一人前と認めてくれるようです。ここまでは合理的ですが、実際は新人に教育はせずに、1年間は雑務のみ。雑務の合間に技術を自分で盗み出すというものでした。規模が小さい中小であれば良くなる可能性はあるが、数十人規模の新卒採用を行う企業で有効になるとは考えにくく、新卒社員の戦力化が遅延した原因になっていたと思われます。さらに新人社員は先輩社員に認められるまで白地にピンクで「丁稚」と書かれたジャージの着用を強制され、通勤時にも着用していたとのことで、今であれば訴訟ものの案件で、結果モチベーションの低下や短期離職率の上昇の原因になったと思われます。

財務担当者はいなかったのか?

動画のコメントで見かけましたが、財務担当者はいなかったのか?という疑問ですが。財務担当役員は存在してました。97年に銀行はコンパイルの拡大戦略を疑問視し始めて融資を引き始めていたが、財務担当者は報告しなかったようです。後のインタビューで財務担当者はこの状況でむしろアクセルを踏んでいるようで、またこの役員は私的に資金を流用していたと仁井谷社長は話しております。一方で元従業員や関係先から無茶な経営や社内にいろいろな問題があり、社員の意見を聞いていなかったというワンマンさという話しも聞きます。

社長・社員の仲は悪かった?

どちらの言葉が正しいのかはわかりませんが、少なくとも意見が割れているところから社長と一部社員とは仲が悪いようです。特にぷよぷよの監督・企画担当のお互いの米光一成は仁井谷社長に対して当時周りにイエスマンしか置かなかったと指摘している。コミュニケーションが不足して意思疎通が出来なかったことが容易に想像ができます。会社の規模が急拡大して管理が行き届かなかったというのはわかりますが、仁井谷正充社長の経営者としての能力が追いついていなかったのが起因すると思います。話しを聞かず、いいづらい雰囲気で報告できなかった可能性も考えられます。

会社の成長というのは数字面での成長も必要だが、それに伴う社員の成長なども重要だと思います。

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