動画あげたで~。
【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter14 ~ライブドア~後半
今回は以前のリーマンブラザーズより非常に大変でした。理由としては子会社や、M&Aで社名がごちゃごちゃして、かつスキームも複雑で資料を見るのが大変でした。私が資本取引について若干知識が薄いというのもあったのですが。まだまだ勉強不足だということを痛感させられました。
監査人とは
今回はライブドアの補足として、監査を行った公認会計士の本を参考に、監査人から見た視点のライブドアを書きたいと思います。ちになみに監査人というのは財務書類などの内容が適切かどうか監査を行う人で公認会計士が行います。様々な視点で適切かどうかを判断して、最終的に「問題ない」とサインをいたします。このサインは超重要です。このサインをするということは「この財務内容で問題ないと責任を持って示します」ということ。例えば、これに不備や不正があれば、経営者への追求はもちろん、監査人も責任を負う必要があります。かつて東芝が2017年3月期の決算で監査を担当するPwCあらた監査法人は適正とせず、限定付き適正ということにした。監査法人も適正とサインをしないということは顧客を失う可能性があります。なので目をつぶって適正といってしまうケースもあります。そのほかにも、適正と報告できなければ財務報告できないわけですから、最悪上場停止になる可能性もあり、その場合株主から損害賠償を受ける可能性もあります。ということで監査人て結論から言いますとくっそめんどくさいの一言です。
ライブドアの監査人
ライブドアの監査法人は港陽監査法人という監査法人です。監査法人としては中小に当たる企業です。ライブドアのような子会社をたくさん持ったり、規模が大きい監査法人は通常大手の監査法人を行います。監査というのは非常に手間暇がかかったり、ネットワークや知識の集約が重要となるため、大手というのが通常です。なぜライブドアの監査を港陽監査法人が務めることになったかといいますと、宮内がライブドアの上場準備に入ることになり、そのとき会計監査を決めるにあたり、税理士仲間の小林氏が代表社員(監査法人の社員というのは偉い人のことです)を務めていた港陽監査法人に依頼しました。小林氏は途中で港陽監査法人を離れております。
途中からは監査人の担当者が変わり多くの意見を言うことが言いましたが、2004年9月期という過去の決算で指摘され逮捕につながりました。港陽監査法人はライブドアへの依存度はもちろん高く、当時は中堅の監査法人だから起きたというような話も出たが、港陽監査法人のライブドアグループ全体の監査報酬は14%ほどに過ぎなかったようです。ただ一般的に中堅の監査法人は指摘が甘いというのはよく言われております。
監査人から見たライブドア
監査人から見たライブドアへの反応は結構意外でした。ライブドアは外資系に似たところがあって、余剰人員をもっておらず、常にスケジュールはタイト。監査のための資料を要求してもなかなかもらえないというような不満はあったようだが、それらは仕方がないという印象でした。かつ若くて危なっかしいが、根は純粋と見ていたようです。
監査人から見た堀江貴文
監査人から見た堀江社長は世間の印象とは違うようでした。ライブドアは堀江のワンマン社長という認識でもないようで、堀江氏が発言したことに対して、ほかの取締役が反対したり、互いの意見をぶつけるといったこともあったようです。実際にフジテレビとの仲直りもほかの取締役が意義を唱えたからです。
監査人は堀江に対して聖域化していた宮内のファイナンスをきちんと牽制を利かせてほしいと依頼すれば快諾してくれ、さらに面倒な要求、例えば「管理部門の人員をもっと増やしてほしい」といえば快諾してくれてすぐに自身のブログや媒体を通じて募集をかける動きの速さ。堀江は監査人に対して、「些細なことも直接聞かせてくれ」と依頼してきており、「すぐに対応するから、いつでもメールください」とまで行ってきており、概ね悪くない印象だったようだ。ただ、堀江に対しての金儲けに対する倫理観は疑問を呈したようだ。
監査人から見た宮内亮治
逆にCFOだった宮内に対してはすこぶる印象が悪い。というより敵視していると言っていいです。宮内は粉飾や株式売却のスキームを実行した主犯格です。宮内は粉飾では嘘の取引をでっち上げるために偽の契約書や口裏合わせまで行っていたようで、監査人からしたらしてやられたというような感じだった模様。監査人が宮内に急激な謎の売り上げに対して質問すれば、「あのスタッフうるさいからメンバーから外してくれ」と言った。以前の監査人はこの宮内氏の依頼にも対応してしまったこともあり、強気な態度で迫っていた。会計処理に宮内氏に迫った時も宮内は「そんなことを言うと港陽は大変なことになるよ」などと言われたようです。
監査人は気づかなかったのか?
監査人から見たライブドアの全体像はこんな形だったようです。参考にした資料の監査人はライブドアの監査を2005年4月だったので、粉飾に関与はしていなかったが、粉飾の痕跡は残っていたようで、しっかりとライブドアを更生させることができなかったのを悔やんでいるのを感じた。監査の限界というのもあり、通常の取引、特にものが発生しないサービスなどの取引に関しては契約書などの証憑と入出金の痕跡を探して問題がなければなにもいえない問題もあるので、監査人に全面的に押しつけるのもどうかと思いますが・・・。
監査人もなかなか難しいよな、適正とするか
株主から訴えられるのを覚悟して仕事を断るかなんて
そうい言いつつおまえだったらどうするんだ?
うちの家計は代々「長いものには
巻かれろ」という家訓が・・・
おまえ、ご先祖様にジャンピング土下座してこい
「断る」と言いたいが、実際になってみないとわかんないな。