日本郵政の減損ニュースは衝撃的でした。
4000億円の減損
日本郵政は4月25日子会社の減損により郵政民営化以降初となる最終赤字を計上するはめに。4000億円の減損で本来であれば3200億円の黒字だったが400億円の赤字に下方修正した。
該当の子会社はトールというオーストラリアの国際輸送物流会社です。
当時の社長の西室泰三氏は「事業を相互に補完できる最高のパートナーだ」自信満々に語っていたが具体的な協業関係を示さないまま退任した。買収額は6200億円、のれんは5200億円にのぼる。
わずか2年で巨額の減損ということは買収後直ぐに業績が悪化したことが手に取るようにわかります。
トールの収益性低下は主にオーストラリア国内と中国経済の景気が減速したことによるものです。
景気拡大期にM&Aをこす成長を遂げたが、統合が不十分でITシステムや組織が重複していて、固定費の比率の高さによりコスト競争力が弱いとのこと。
甘かったデューデリジェンス
この買収にはデューデリジェンスが要因の一つと考えられる。先程あげていた収益性低下の要因はデューデリジェンスをしっかりとしていれば、わかることではないでしょうか?現地を知らない海外の買収案件であればもっとコストをかけるべきではなかったのではないだろうか?
目的は買収という行為?
なぜ割高でもこのトールという会社を買収したのか?日本郵政はトール買収前は上場を控えていた時期であったため、投資家に高い成長性があることを示す必要があった。国内での成長は望めない日本郵政にとって行き先は海外しかなかった。
なんとしても上場前に成立させたかった大型M&Aだったためにのれん代が5300億円という割高になった。
買収後の対応
買収後は積極的に経営に関与せず、現地の人間にまかせていたようだ。買った後は興味なしといった感じです。高いお金で買収したのであればもっと収益力を高めるために、経営に関与すべきだと思いますが、目的が買収という行為そのものだったから興味がなかったのだと思います。
東芝との共通点は
今回の日本郵政の現存事例は東芝との共通点が多いです。
- 甘かったデューデリジェンス
- 割高の買収
- 買収が目的
- 西室氏が主導
この買収を主導したのは東芝の名誉顧問でありウエスチングハウスの買収に関わった西室泰三氏です。日本郵政を高い株価で売却するためにこの買収劇を行いましたが、その代償は大きく、損したのは投資家という部分も東芝と共通しているのではないでしょうか?
買収を失敗しないためには
日本電産の永守会長は数々の買収しておりますが、52回もの買収をしているが、一度も減損したことがないとのことです。なぜそんな買収を失敗させてないのかというと3つのポイントがあるという
- 価格
- 経営への関与
- 相乗効果
いずれも今回の日本郵政が反省すべきポイントでしたね。
また海外投資で数千億円規模の減損・・・
経営者は責任取らないっぽいし、
投資家と従業員はかわいそうだな
こんなんだったら俺でも社長できそうだよね
それはない(断言)