サブリース関連でスルガ銀行が窮地にたっております。
スルガ銀行が決算発表後大幅修正
静岡県沼津市に本拠を構えるスルガ銀行が6月6日に先月の5月15日公表済みの2018年3月期決算を訂正し、純利益を210億円から69億円と大幅減としました。決算発表から一ヶ月も経たないうちに訂正するのは非常に珍しいです。
スルガ銀行は1895年創業の歴史が古い銀行です。ネットバンキングやリテール(個人)融資に注力しておりました。住宅ローンはもちろん、教育、車の他にもロードバイクローン、カメラ・レンズローンなど趣味をサポートというローンなども販売して多彩な商品が用意されていて注目されておりました。借入の審査も早くて定評で、マイナス金利で銀行が苦しんでいる中、スルガ銀行は業績が好調。株価もバブル時代を遙かに超えて地方銀行の優等生と呼ばれておりました。
優等生の実態
しかし先日倒産したシェアハウスを運営していたスマートデイズが倒産したことを契機に評価は一変しました。
上記の記事は4月に記載したもので、アナリストが800人のシェアハウスオーナーから1000億円の融資残高があると想定され、200億円の焦げ付きの恐れがあると記載しましたが、実態は予想を遙かに超えておりました。
スマートデイズを含めたシェアハウス案件の融資は1258名、融資残高は2035億円とアナリストの予想を大きく超えておりました。今回は貸倒引当金でを貸し倒れ引当金を587億円と積み増しております。このうちシェアハウス関連の引当金は420億円と約20%の貸し倒れ率を設定するというかなり大胆に設定しておりました。
ノーガード戦法
この理由として貸付先シェアハウスオーナーに支払い能力がないと思われた為に貸倒率を高く設定したのだと思います。オーナーの支払い能力がない理由は、違法な審査体制にありました。シェアハウスオーナーに感心を持つ会社員らにメインバンクであるスルガ銀行が融資を勧めます。この際に提出させた預金残高が少なかった場合、写しを改ざんするなどの手口で貯蓄や所得を水増しして、融資を受けさせていたことが発覚しております。
この不正をした理由はノルマ主義でプレッシャーを与えていたことによるものだと言われております。そのため、営業が貸付の審査をする部門より上に立ち、営業至上主義となりガバナンスが機能しなくなったことにあります。これにより不正な融資が横行した模様です。5月に第三者委員会を立ち上げて実態の解明に動き出すとのことですが、機能していないガバナンス、成果主義というコンボはまだまだ出てきていない爆弾がある可能性もあります。
投資なので自己責任?
この件で大きな問題はシェアハウスのオーナーとなるためにスルガ銀行から融資を受けた人たちだと思います。スマートデイズから一括借り上げ、30年間家賃保証をうたい文句に宣伝して、スルガ銀行に融資を受ける。一見良いスキームのように見えますが、すぐに家賃保証が困難となり、スマートデイズは破綻。肝心の物件は割高の物件で実際には価値があまりないと言われております。この結果借入をしたオーナーは実質大きな債務を背負うことになります。投資は自己責任と言われますが、私が感じたことはこの流れは一種の詐欺のように感じとれもしました。
投資は自己責任っていうけどこれは酷いよな
銀行の審査部が機能してなかったって
言ってたけど、これが氷山の一角だとしたら・・・
まーたしくじり企業の候補リストが
増えちゃうわー
リクエストも上がりそうだな
この貸付の仕方は伝説のあの会社を思い出しますね。