今回もカネボウについて書くのですが、まずは動画について謝罪。
富岡製糸場のことを話題にする際に紡績業と製紙業がごっちゃになっているのではという指摘がありました。全くその通りで紡績業のカテゴライズに製糸があると勘違いしておりました。以下違いです。
- 紡績は動植物(綿花・羊毛・朝)から糸を作る
- 製糸は繭から糸を作るということです。
今回始めて知りました。動画でも別途お伝えい致します。
それでは前回の続きです。
花王がカネボウ化粧品を買わなかった理由
そもそもなぜ花王がカネボウの化粧品事業を買収しようとしたのかというところからですが、カネボウは財務体質は株主資本がわずか5億円と債務超過は目前でキャッシュフローは絶望的でした。利子の分を考慮しなくても200年かけても有利子負債が返済できないという危機的状況でした。そのためには抜本的なリストラを実施する必要がありましたがその資金もないという状態です。
一方花王は家庭用品では圧倒的な強さを持っていますが、化粧品分野では苦戦を強いられていましたソフィーナという化粧品ブランドを持ってはいますが、そのブランド力は弱く、また販路がスーパーやドラッグストアなど家庭用品と同じものしかなかったため、値引きを強いられることが多かったのです。そのテコ入れをしたかったわけです。
カネボウの化粧品事業は4000億円の資産規模を擁しており、毎期300億円のキャッシュフローを生み出します。これらの両者の思惑が一致してカネボウは花王に化粧品を一部売却するつもりでした。
実は初期の売却は全額ではなくカネボウが49%の株式を持ち続ける合弁会社を想定しておりました。しかしながら、カネボウのリストラの概要が見えてくる内に全額売却をしないと捻出できなかったため、全ての株式の売却に踏み切りました。
この売却案は三井住友銀行も後押ししました。早く借入の回収をしたい思惑があるようでした。
ここで登場したのが国内大手投資ファンドのユニゾン・キャピタルです。ユニゾンはカネボウの化粧品事業を3500億~4000億円で買収。その後、ユニゾンが51%、カネボウが49%出資する新会社を設立し、会社分割したカネボウの化粧品事業を新会社に譲渡するというもの。この結果約3000億円の利益を確保でき、債務超過解消という提案だった。
しかしながらこのユニゾンの提案は資金調達能力があるのかが疑問視されていて、危険だという意見が出てきた。さらには銀行側が反対の意向をしめしていた。そのためこのファンドの意見が早々になくなった。
それでは花王の買収提案かと思ったが、ここで労働組合が反対意見を表明。理由は花王側には労働組合がないこととリストラに踏み切る恐れがあるという理由だ。花王側は出向形式だが雇用を約束されています。出向の理由は数千人規模の社員が一変に流入したら手続きが追いつかないというのが理由でした。
花王との締結は目の前でしたが、労働組合の反対意見が取締役会にも波及して結局流れて最終的には産業再生機構のお世話になりました。
産業再生機構入後のカネボウ
カネボウが産業再生機構入り後について記載します。
2005年5月に上場廃止が決定され、翌月廃止に。関係者は逮捕されました。2006年2月に結局、カネボウの化粧事業は分離(現カネボウ化粧品)し花王に売却されました。この時にカネボウの商標権もカネボウ化粧品に譲渡しました。他の事業が残った旧カネボウは投資ファンドに買収されます。その後旧カネボウ側で使用するブランドがなくなったので、新しいブランドとしてクラシエが生まれました。
2006年5月に旧カネボウの事業はカネボウ・トリニティ・ホールディングスに譲渡され、クラシエグループとして再出発しました。旧カネボウとは資本関係がない独立会社として定義されておおります。旧カネボウは海岸ベルマネジメントという名前に変更され、清算会社に移行されました。
クラシエグループは2009年9月に株式を持っていたファンドがホーユーに売却しました。2009年に60%を買取、残り40%も2012年に売却されてホーユーの完全子会社になりました。
化粧品は花王入して結局あの騒動はなんだったんだ
って感じだよな
あまりにも不可解すぎて資料には
労働組合がだしに使われたみたいに書いてたな
だから日本の大企業はだめなんだよ
知らねぇつってやっちまえばこっちのもんなんだよ
・・・・なにがあった?