オロドウ日記

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RIZAPと負ののれん

今回はRIZAPニュースの続きです。

 

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ライザップHPより

 

www.cakaricho.com

RIZAPはM&Aを続けて事業を拡大し利益を積み増してきましたが、急に赤字に転じました。この利益の積み増しの実態はM&Aが成功して事業で利益が出たという意味ではなく、負ののれんによる利益の積み増しでした。

 

負ののれんとは?

一般的な企業買収の場合、その企業を純資産に将来的な利益を見込む為プレミアム(+α)が発生します。そのプレミアムがいわゆるのれん代となり、数年に渡って費用化します(国際会計基準では費用化しません)。RIZAPの場合はのれんの逆が発生しており、企業を純資産より安い価格で購入しておりました。この純資産-買収金額の差分が「負ののれん」となります。この負ののれんは利益となり、一括で計上します。この負ののれんは会計的な処理(テクニック)なので実際にキャッシュが生まれるわけではありません。

RIZAPの負ののれん

RIZAPはこの負ののれんが異常に多く、前回お話ししました前期のRIZAPの営業利益は135億円、この内87億円が負ののれんによるものです。その前の期は102億円の内58億円と平均で利益の6割が該当します。実態を反映すると言われるキャッシュフローを見ると、営業キャシュフローは+8760万円しかないという状況で、売上が1000億円以上の企業としては少ない気がします。
この状況からか多くの人はM&Aは負ののれん目当てで買収を行っているのでは?ということが指摘されるようになり、見せかけの利益で業績を嵩上げすることが目的ではないかなど噂されるようになりました。

負ののれんで子会社の上場廃止を回避

この負ののれんをフル活用した事例として、RIZAPグループの子会社である夢展望の事例です。夢展望は債務超過となっており上場廃止間近でしたが、ニッセンHDの子会社であるトレセンテを1円で買収して負ののれんを計上し上場廃止を回避した事例がありました。

連結及び個別の債務超過解消(見込み)のお知らせ

更に夢展望はニッセンからトレセンテに対する貸付債権を1円で購入(恐らくはニッセンは貸倒として処理していると思われる。)。そしてトレセンテはRIZAPの連帯保証をつけてもらった上で銀行からの借入を実施。その借入を原資にして夢展望に対して返済。夢展望は1円で購入した債権なので、差額を利益として計上しようとしました。結局この利益計上は監査法人からの指摘により中止にしたようです。この手法は実際に見れば会計上のテクニックであって、全体的に見れば借入が増えただけに過ぎません。RIZAPグループはこういう手法を実施しているところからどうもきな臭さを感じます。

負ののれんが成長の原資に

 RIZAPはこの負ののれんを2016年から、業績予測に織り込む形となっていたようです。つまり負ののれんありきの経営を行うことになります。しかし子会社の業績回復が思ったほどうまくいかず事業は赤字となり、M&Aを凍結、負ののれんを計上することができなくなり、グループ全体の赤字予測に繋がったようです。負ののれんなどはあくまで会計の実務上の処理なので、実際稼いでいるわけではありません。RIZAPのM&Aが見せかけの利益を増やそうとするのが目的だとすれば今後は相当厳しくなると思います。

安いのにはわけがある

1円で買収できる企業などの負ののれんが発生する企業は相当な問題を抱えている企業なのは目に見えています。通常、事業で赤字が出れば対策を講じます。その上で、万策尽きたので1円などの安値で売却することになりますが、そんな企業を続けざまに買収するとなると相当なリスクを抱え込むことになります。RIZAPは平気でそんな企業を増やしていったのは経営を甘く見過ぎているのではと個人的に思いました。
現在は松本さんというストッパーがいるので、今後好転する可能性もあるかもしれませんが、注視していきたいと思います。
RIZAPは典型的な業績を
大きく見せたがりだったのか

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元カルビーの松本さんのおかげで止まったみたいだな

これからどう変われるかが見物だな

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          他人よりまず自分のボディメイクを・・・

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そのギャグはしゃれになってねぇぞ

 

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