オロドウ日記

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社長として見たMEGWIN

ブログのコメントで「MEGWIN TV」が炎上している件について意見を聞かせて欲しいという見つけたのでそれに答える形で書きました。

私はMEGWINさんの動画をあまり見たことがないので、あくまで客観的な意見と会社としての体裁について書きます。

 

概要

MEGWINさんが中心となって活動しているMEGWIN TVというチャンネルが炎上しました。中心メンバーだったファルコンさんとメテオさんがMEGWIN TVを退職したことに端を発しました。二人は動画をアップロードして、「辞めるように仕向けられた」、「無駄な仕事をひたすらさせて精神的に追い込まれるようなことを指示されてもう無理だと思った」、「MEGWINは自分たちを「動画のためのコマ」としか考えていない」、「「MEGWIN TV」は動画の作成の禁止事項が多すぎておもしろい動画を作ることが困難だった」、「集中して動画を作れる環境ではなかった」など心情を吐き出しました。さらにはTwitterでも状況をtweetしておりました。

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MEGWINの動画

それに対して当のMEGWIN氏はMEGWIN TVに動画をアップしました。同日にアップされた動画は原点回帰で自身がチャンネルを再構築をするという動画でした。しかし動画は荒れて結果低評価が9.3万となってました。

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MEGWIN TVは翌日も動画を投稿。今度は打って変わって編集なしで重苦しいもの変わった。サムネイルもふざけた形ではなく頭を下げる形です。しかし内容は説明動画。「彼らの主観も入っているので事実かどうかわからない状態で批判をもらっている。」「争う気はないのでこの情報に関して開示をしないし、訂正もしない。」ということ。ここで謝罪がないことやメンバーは正社員だと切り離したなど、突っ込みどころ満載で、炎上しているところにガソリンがまかれた形となりました。

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さらに翌日感謝と謝罪ということで動画を投稿。今回は個人の意見として、感謝と謝罪を述べ、さらに円満退社であることを強調しておりました。

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現状の分析

 お互いの言い分を合わせてみると、わかっていることは「正社員だった」「自主退職した」「お互い認識が合っていない」のみでしょうか?

本人のTwitterではMEGWIN TVで使っていた名前をそのまま利用すると法的措置を講じ、また挨拶の動画も作らせてくれないということでした。言っていることが本当であれば円満退社と言い張るのは難しいと思います。

社長としてのMEGWIN

本人達は経済的に厳しい状況に置かれているといっている。動画をいくつか見てみましたがマジでお金がなさそうで、動画撮影もスマホでやっているということでした。いつ潰れるかわからない先が見えない会社で、苦楽をともにした社員に対して人並みの給与を渡せないというのは社長としてどうかと。

本人達はMEGWIN氏の人格を否定する発言を行いましたが、下手をすれば訴訟沙汰になる可能性がある発言なので、相当鬱憤がたまっていたのでしょう。意味のない仕事を与えるなど辞めるように仕向けたということが本当であればブラック企業の常套手段ですね。MEGWIN氏が否定をしないということであれば思い当たる節があるのだと思います。

今回の炎上についてMEGWIN氏の社長としての対応は酷いと言わざるを得ないと思います。企業として炎上沈下で一番有効な手段として、事実の確認と謝罪と対応策です。MEGWIN氏は事実を開示するでもなく、「社員が退職をした」だけではあまりに顧客(視聴者)は納得しないでしょう。また翌日に謝罪の動画を別でアップしたのも悪手です。事実かどうかはわかりませんが、普通の人が見れば「言われて謝罪と感謝した」と受け止めます。また発言も薄く、コンプライアンス等の単語を使っておりますが、本人が理解せずに出している感じを窺えました。

業績の悪化により社員をクビにせざるを得ない状況はもちろんあるかと思いますが、創業期から貢献してくれたにも関わらず、給与も満足に与えていなかった社員に対して退職を促すのはあまりに道理に反していると思います。給与の未払い問題はないかもしれませんが、長時間労働で時給にすると最低賃金は下回っているのではないでしょうか。ただ本人達が証拠を残して訴えないと事実かどうか確認するのは難しいですがね。

 

予想以上に過酷な環境っぽそうだな・・・

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社員で法的には問題ないと言ってはいるが

話しを聞く限りでは怪しいなぁ

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この二人には幸せになってほしいわ

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ベンチャーではよく聞く話ですが、こういう社長に未来はないと思います。

ちなみにMEGWIN氏の会社はYouTube運営代行サービスのようですね。(笑)

seego.jp

PayPayの100億円キャンペーンは効果あるのか?

PayPayのキャンペーンを実際使ってみて結構良いという感想を持ったのですが、このキャンペーンの効果について考察しました。

 

 

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最後発サービス

PayPayは電子決済サービスとしては最後発で、2018年10月に開始としております。既に楽天ペイやLINE Payなどが存在しており、勝たなければなりません。楽天ペイやLINE Payはグループの顧客を抱えることができるので優位性があるはずなのですが、いまいち話題になりませんでした。理由としてはSuicaなどのNFCによる既存サービスが存在していて、QRコード決済のメリットがありませんでした。NFCにより利用をしていない人はおよそが現金主義の人だと思われます。一般的ではないし、決済手数料も発生しますので加盟店側も導入を躊躇します。それらを覆してPayPayを普及させるには100億円キャンペーンは非常に効果的でした。

認知と利用

まずこのキャンペーンは広告として大きな役割を果たしました。最後発のサービスにも関わらず前述したLINE Payや楽天ペイなどのサービスより認知度が上がったのではないでしょうか?40人に1人に全額ポイントバックなどで話題を作り、Twitterではポイントが還元された報告が挙がります。その結果PayPayはトレンド入りして認知度を上げました。これは広告効果としては絶大です。

他にはPayPayを実際にインストールしてアカウントを作って貰えた効果がありました。2018年8月時点でのある調査では、楽天ペイ・LINE Payの認知度は楽天ペイ65.1%、LINE Pay59.7%。利用率は楽天ペイ12.9%、LINE Pay5.9%でした。

ecnomikata.com

「認知度」は上げても実際の「利用」へと引き上げるのが相当難しいことがわかります。逆にサブスクリプションのビジネスモデルでわかるように一度使って貰えれば継続的に使ってくれる可能性が高くなります。このポイントバックはもれなく適用されるので今まで使ってなかった人手でも興味がわき利用しようと思います。多少アカウント作成やチャージ・クレジットカードの紐付けが面倒でも目の前に餌がぶら下がっていれば前に進みます。いつ終わるかわからないようなキャンペーンであればなおさらです。

このキャンペーンは消費者に認知、利用まで引き上げることができたので、その効果は非常に大きいと思います。

店舗側のメリット

出店企業側にもこのキャンペーンの影響は大きいです。このキャンペーンにより需要を掘り起こしました。20%のポイントバックを100億円分ということですので、500億円分の売上に相当します。12月4日にキャンペーン開始ということですが、ここにも大きな意味が考えられます。多くの企業や公務員は12月5日~10日あたりが冬のボーナス支給日になるため、財布のひも緩みきっており、親はクリスマスプレゼントを購入しなければなりません。さらには年末で利益を出した企業や個人事業主などはある程度節税のためにものを購入しようという気になります。ここで実質2割お得になるキャンペーンを打ち出せば効果は大きいです。逆に言えば加盟しなかった企業は大きくフリになります。大手家電量販店でPayPayに参加しなかったヨドバシカメラの今月の売上がどのような影響を与えたかが見物です。

今度は店舗側が100億円争奪?

今回のキャンペーンで手に入ったポイントは1月10日あたりに付与されるとのことですが、このポイントの争奪が店舗側で行われるのではないでしょうか?100億円のポイントが一気に付与されるます。現在ではもらったポイントを利用できる店が少ない為PayPayに利用できるということで売上を伸ばすチャンスがあるかもしれません、これらが利用店舗の拡大させるきっかけになるかもしれません。

キャッシュレス決済の行方

まとめると100億円キャンペーンで認知・利用されるようになる→利用店舗も拡大→市場制圧というストーリーを描いているのではないでしょうか?今後は政府もキャッシュレス決済を推進しており増税対策としてキャッシュレス決済に対して5%還元を検討しており、ますますキャッシュレス化が進むと思われます。

www.nikkei.com

経済産業省は2015年の国内のキャッシュレス決済は20%程度で、2027年には40%を目指す方針です。市場を制圧をして数十兆円にも及ぶ決済に関わることができればすぐに今回のキャンペーンの投資を回収できます。さらに現在中国で利用されているAlipayのアプリは様々なサービスに紐付くプラットフォーム的な役割を持ち合わせております。ソフトバンクやヤフーは日本国内で同様なポジションを狙っているのではないでしょうか?

 

楽天ペイとか認知してたけど使おうとは

思わなかったな~

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この市場を制すれば購買情報とかも握れるからな

あの孫さんが力を入れる理由がなんとなくわかるな

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           お前の購買情報取得して

           開示したらどうなるかな~

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ポイントバックするから暴露するのやめて

 

PayPayの100億円キャンペーン 使ってみた結果・・・

また買ってしまった・・・。

PayPayとは?

「PayPayの100億円キャンペーン」普通の人でもこのキャンペーンを知らない人は多くないと思います。PayPayはPayPay株式会社が運営するQRコード決済サービスです。非接触型のNFCとは違いバーコードを読み取って貰ったりQRコードを読み取り数字を打ち込むという必要があります。

paypay.ne.jp

QRコード決済のメリット

中国ではAlipayや微信支付というので現金支払いより一般的に利用されていると言うことです。現在使われているSuicaなどの電子マネーより店舗側の導入が楽で1番簡単な方法だとQRコードを貼るだけで済みます。

驚異の100億円キャンペーンとは?

PayPay株式会社は12月4日より100億円上げちゃうキャンペーンを始めました。PayPayで購入すると20%のポイント還元するというサービスです。なんと気前が良い。折角なので実際に使ってみました。

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youtu.be

利用方法

まずはアプリをダウンロードしてインストールします。インストールしたあとにアプリを起動すると新規登録として、電話番号とパスワードを入力。別途パスワードをかけることができるようですが、なしでも起動できます。SMSで認証コードが送られてくるので入力すると早速使えるようになります。

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入ると500円分のポイントが既に付いてました。起動時は上の画面なりすぐに支払い用のバーコードを提示でき、シームレスに決済ができます。

次に支払い方法の設定をします。支払い方法は銀行口座に紐づけてチャージする方法。クレジットカードが苦手な人や使えない人向けのようです。この方法でチャージしてみようと思い銀行を選択しようとしたところ、なんと三菱UFJ銀行が使えない・・・。主に三菱を除いたメガバンクと地方銀行+ジャパンネット銀行が使えました。提携している銀行は少ないのでは?とりあえずクレジットカードで登録をしました。クレジットはVISA、Masterカードが対応しており、JCBは非対応・・・。どうやらPayPayの残高が少ないとクレジット決済を自動で選択するようです。

いざビックカメラへ

これを使って早速購入。この100億円キャンペーンは残額がいくらになっているか不明なため、早めに使用したほうが確実でした。早速ビックカメラに足を運びました。ヤ◯ダ電機も使える?知らないですね・・・。

やはり皆さん考えることは同じで、一番お得感がでるのは家電量販店です。最初の土日のビックカメラはすごく混んでいたようです。上から下まで見て、購入したのはカメラのレンズ。ちょっとどうしようかな?と考えていたものだったので、この機会に購入。どうやら一部では値段がつり上がっているようなものがあるとの噂があるので、確実におススメできるのはあまり安くならないゲーム機やアップル製品だと思います。あとはカメラのレンズもなかなか安くはならないのでおススメだと思います。

決済はNFCより少し面倒?

平日なので、レジは特に混んでおりませんでした。手順は以下の通り

  • ビックカメラの場合は用意してあるQRコードを読み込む
  • 自分で金額を入力して決済
  • 決済後の画面を店員に見せる
  • 店員が決済番号をレジに打つ(ビックカメラだけっぽい?)
  • 3万円以上の決済は身分証明書の提示を求めらる。免許証を提示すると特に番号を控えることなくそのまま返されました。

実際に使ってみると現金を下ろす必要のある現金と比べると結構楽ですね。クレジットカードを必要とせずにスマホだけで決済できるのがメリットです。しかしNFCの方がやはり便利です。当てるだけで決済できるのに比べればスピードは全然違います。けれどもPayPayはキャンペーン終了後でも0.5%のポイントがつくので、ポイントを貯めるのであればこちらの方がお得です。

店舗側は導入がしやすい

最も大きいメリットは店舗側にあると思います。キャッシュレス決済は店側の初期費用と手数料決済が高くて店が敬遠しがちでした。他にも偽札が少ない日本の場合目に見えるメリットが少ないためキャッシュレス化が遅れました。PayPayの場合は店舗導入は店側の負担は小さく済みます。このPayPay効果で日本でもキャッシュレス化が進むのではないでしょうか?

paypay.ne.jp

ちなみにカメラのレンズとフィルターを約10万円で購入しました。その結果

  • ビックカメラ基本ポイント+8%(非現金のため)
  • ビックカメラクーポン+3%
  • PayPayキャンペーン+20%
  • 合計:31%のポイント還元!!

ですのでビックカメラとPayPayで合わせて3.1万円分のポイント還元を受けることができました。ポイントは審査を経て来月10日ぐらいに付与されるようです。ちょっとしたお年玉ですね!

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な、なんでも20%還元だと!?

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乗るしかねぇこのビッグウェーブに!

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キャンペーンは終了したようだか

新たなキャンペーンの噂もあるようだからチェックしような

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明日はこのPayPayのキャンペーンをビジネス面から考察したいと思います。

RIZAPと負ののれん

今回はRIZAPニュースの続きです。

 

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ライザップHPより

 

www.cakaricho.com

RIZAPはM&Aを続けて事業を拡大し利益を積み増してきましたが、急に赤字に転じました。この利益の積み増しの実態はM&Aが成功して事業で利益が出たという意味ではなく、負ののれんによる利益の積み増しでした。

 

負ののれんとは?

一般的な企業買収の場合、その企業を純資産に将来的な利益を見込む為プレミアム(+α)が発生します。そのプレミアムがいわゆるのれん代となり、数年に渡って費用化します(国際会計基準では費用化しません)。RIZAPの場合はのれんの逆が発生しており、企業を純資産より安い価格で購入しておりました。この純資産-買収金額の差分が「負ののれん」となります。この負ののれんは利益となり、一括で計上します。この負ののれんは会計的な処理(テクニック)なので実際にキャッシュが生まれるわけではありません。

RIZAPの負ののれん

RIZAPはこの負ののれんが異常に多く、前回お話ししました前期のRIZAPの営業利益は135億円、この内87億円が負ののれんによるものです。その前の期は102億円の内58億円と平均で利益の6割が該当します。実態を反映すると言われるキャッシュフローを見ると、営業キャシュフローは+8760万円しかないという状況で、売上が1000億円以上の企業としては少ない気がします。
この状況からか多くの人はM&Aは負ののれん目当てで買収を行っているのでは?ということが指摘されるようになり、見せかけの利益で業績を嵩上げすることが目的ではないかなど噂されるようになりました。

負ののれんで子会社の上場廃止を回避

この負ののれんをフル活用した事例として、RIZAPグループの子会社である夢展望の事例です。夢展望は債務超過となっており上場廃止間近でしたが、ニッセンHDの子会社であるトレセンテを1円で買収して負ののれんを計上し上場廃止を回避した事例がありました。

連結及び個別の債務超過解消(見込み)のお知らせ

更に夢展望はニッセンからトレセンテに対する貸付債権を1円で購入(恐らくはニッセンは貸倒として処理していると思われる。)。そしてトレセンテはRIZAPの連帯保証をつけてもらった上で銀行からの借入を実施。その借入を原資にして夢展望に対して返済。夢展望は1円で購入した債権なので、差額を利益として計上しようとしました。結局この利益計上は監査法人からの指摘により中止にしたようです。この手法は実際に見れば会計上のテクニックであって、全体的に見れば借入が増えただけに過ぎません。RIZAPグループはこういう手法を実施しているところからどうもきな臭さを感じます。

負ののれんが成長の原資に

 RIZAPはこの負ののれんを2016年から、業績予測に織り込む形となっていたようです。つまり負ののれんありきの経営を行うことになります。しかし子会社の業績回復が思ったほどうまくいかず事業は赤字となり、M&Aを凍結、負ののれんを計上することができなくなり、グループ全体の赤字予測に繋がったようです。負ののれんなどはあくまで会計の実務上の処理なので、実際稼いでいるわけではありません。RIZAPのM&Aが見せかけの利益を増やそうとするのが目的だとすれば今後は相当厳しくなると思います。

安いのにはわけがある

1円で買収できる企業などの負ののれんが発生する企業は相当な問題を抱えている企業なのは目に見えています。通常、事業で赤字が出れば対策を講じます。その上で、万策尽きたので1円などの安値で売却することになりますが、そんな企業を続けざまに買収するとなると相当なリスクを抱え込むことになります。RIZAPは平気でそんな企業を増やしていったのは経営を甘く見過ぎているのではと個人的に思いました。
現在は松本さんというストッパーがいるので、今後好転する可能性もあるかもしれませんが、注視していきたいと思います。
RIZAPは典型的な業績を
大きく見せたがりだったのか

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元カルビーの松本さんのおかげで止まったみたいだな

これからどう変われるかが見物だな

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          他人よりまず自分のボディメイクを・・・

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そのギャグはしゃれになってねぇぞ

 

結果にコミットできなかったRIZAP

結構前の事ですが、色々と意見を求められたのでちょっと取り上げたいと思います。

今回RIZAPグループの決算が注目されました。

 

業績はコミットできず!

RIZAPグループは「結果にコミットする」でおなじみのパーソナルトレーニングを行っているRIZAPをメインとする企業グループです。2018年3月期の連結売上高は1362億円、営業利益135億円と立派な数字を出しており、さすが結果にコミットするRIZAPという感じで、去年の11月には株価が1400円ぐらいまで上昇しました。

しかし2018年11月14日に今期の業績予測の下方修正を発表。売上高を2500億円→2309億円、営業利益230億円→△33億円と大幅な営業赤字予想を発表して話題となりました。

www.nikkei.com

M&Aした子会社とは?

RIZAPグループは主要のフィットネスジムに関しては拡大傾向で利益貢献出来ております。その主要事業からM&Aを重ねて事業を拡大し続けました。しかしその拡大の要となったM&Aに問題があったようです。

RIZAPのM&Aは本当に積極的で連結子会社は80社を超えています。

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RIZAPホームページより

www.rizapgroup.com

このグループの中には化粧品、美容機器販売などを手がけるジャパンギャルズ、ボディメイク関連事業のMRKホールディングス、スポーツ用品のB&DなどRIZAPに関連しそうな健康や美容、スポーツ関連の企業がもちろんあります。

しかしながらカジュアルウェアのジーンズメイトや書籍・雑誌の日本文芸社、フリーマガジンを主とするぱど。他にも電機部品の加工を行う企業やディスプレイ用の部品や包装材を扱う企業など、本当にシナジー効果が見込めるのか疑問視するものも多くありました。

グループの企業名を見てなんとなく察せるかと思いますが、RIZAPグループの企業の多くは赤字だった企業や衰退企業が多く、現状のまま続けた場合、利益貢献どころか下手すれば新たな資本注入が必要な企業が多かったようです。CD・ゲームソフト販売のワンダーコーポレーションやぱどなどは半期で85億円の最終赤字を計上し、RIZAPグループにも影響を与えました。

www.tsr-net.co.jp

M&Aの失敗

RIZAPは赤字や今後経営が厳しくなることが予想され企業を純資産より安く買って、自分達のノウハウで2、3年で再生させて利益貢献させる腹づもりだったようですが、実際には赤字を垂れ流す結果に終わったようです。

ここで注目が集まったのが、今までのM&Aに頼っていた利益構造の実態なのですが、ちょっと長くなったので今回はここまで、また明日続きを書きます。

 

RIZAPさん!俺もCMのように変わりたいんですが

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こりゃー手遅れですね・・・

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CMも見なくなりましたね・・・

 

シャープはなぜしくじったか?

シャープの動画を出して一ヶ月ぐらい経つのですが、全体的な感想や電機業界について書きたいと思います。


【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter20 前半 ~シャープ(SHARP)~


【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter20 後半 ~シャープ(SHARP)~

 

www.cakaricho.com

 

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シャープの経営危機をどう見てたか

元々家電業界に興味があったので、シャープの経営危機は注目しておりました。2点、3点した結果、結局は鴻海の傘下となりました。思えばこれが日本の電気業界の現状が浮き彫りになったのではないでしょうか?

私の日本ブランドのイメージ

バブル後も日本の家電業界は世界をリードしてきました。パソコンが普及し始めてからも、NECや富士通、ソニー、シャープなど国内企業がパソコン業界をリードしました。

2000年代ぐらいから不況等により国内需要は急減、コストが見合わなくなり、メーカーは次々に中国や台湾を中心としたアジアに製造を依頼するようになります。あるいは「高い付加価値」の名のもとに、ユーザーを無視した機能を次々と足していき価格を高止まりさせた結果、高ブランドを維持することができましたが、ニーズとはかけ離れた無駄に高い商品が増えた気がします。これが私の日本ブランドへのイメージです。

その後、委託をしていた中国・台湾企業が成長して、技術力も付きました。ここから独自に設計をするようになり、真似と揶揄されていた商品もやがて日本の品質に負けないものになり、最近では技術力では国内の方が劣っていると言われる分野も出るようになります。

シャープはなぜ液晶で負けたのか?

シャープは虎の子の液晶技術を亀山工場や堺工場の中だけにとどめてブラックボックス化して流出を食い止めたかったようです。しかしながらそれもすぐに叶わなくなります。技術は流出し、圧倒的な技術で他社をリードしようとして作った堺工場や亀山工場の投資額が重すぎて他社の助力が必要となり、独占的なものではなくなりました。液晶の技術は他社に猛追され、シャープの高い液晶と安い他社製とそこまで差がなくなり、価格勝負になってしまいました。さらには液晶テレビはインテグラル(すり合わせ)型開発からモジュール(組み合わせ)型開発へとシフトしました。

すり合わせとモジュール

すり合わせ型の開発とは簡単に言うとさまざまな部品を調整して一つの製品として開発することです。よくある例えられる製品ですと自動車が当てはまります。モジュール開発は部品を組み合わせをするだけで一つの製品を開発することです。身近なもので言えば自作PCが当てはまります。

パソコンも当初はすり合わせ型でしたが、モジュール型の製品へと移行して価格は下がり、安い中国・台湾製品が登場します。液晶テレビも同様です。液晶テレビもパネルを調達して、人件費の安い中国に組み立てを依頼すれば簡単にテレビを開発することが可能になりました。覚えている人もいると思いますが2008年にイオングループでDVDプレーヤー内蔵地デジ対応32型液晶テレビを49,800円で販売したことがありました。これはダイナコネクティブというベンチャーが韓国のサムスン社製の液晶パネルの在庫処分品を仕入れて、中国の工場で組み立てたことによりこの価格を実現できました。(ダイナコネクティブは2010年に破産)

最近でもドンキホーテやDMMなどが激安テレビや液晶モニターを販売しているが同じ方式と思われます。(違ってたらごめんなさい。)おそらくですが、現在スマートフォンも同様の道をたどっており、実際ファーウェイやシャオミなどが台頭しております。

要はこのすりあわせ型からモジュール型への変遷はコストを大幅にダウンさせることが可能になるため、テレビの価格は劇的に下がりました。シャープはこの動きを予知出来ていなかったと思います。

目の付け所

話をシャープに戻しますと、シャープというより、日本の電機メーカー全体がこの物作りの変換点を察知できなかったのが大きな要因ではないでしょうか?結果論だと言われると思いますが堺工場などの巨額投資は明らかに目の付け所を間違えていたと言えます。この目の付け所はどこで間違えていたのか?町田の液晶への注力か?片山の堺工場か?

シャープの内部の混乱もシャープがしくじった理由の一つだと思っています。誰か一人町田や片山を抑えて経営をしっかりとコントロールしてリードできる人物がいれば結果は違っていたと思います。日産のカルロス・ゴーン逮捕によって権限の集中について問題視することがありましたが、時と場合によると思います。リーマンショックのような非常時であれば権限を集中してトップダウンで物事を進めるのもありです。シャープの場合は明らかに権限が分散していました。

やはり経営とは何が良いというわけではなくて、先の状況を見通す目とその状況に合わせたバランス感覚が重要なんだなと思いました。

 

この時期の液晶テレビって

一気に安くなったよね

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今じゃ4Kテレビも4・5万円で買えるからな

昔より商品の陳腐化が早くなったと思うな

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            お前の劣化も早くなってきたな

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 最近昔の写真見るとへこむだよなぁ・・・

 

なぜシャープは鴻海と組んだのか?

ここで宣伝。しくじり企業Lアップしました。


【ゆっくり解説】しくじり企業L 09話 ~遠藤商事Holdings~

シャープの補足ブログのラストとなります。今回はシャープと鴻海について解説します。

 前回↓

www.cakaricho.com

 

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画像はGetty Imagesより

 

鴻海精密工業

鴻海精密工業(鴻海)は台湾に本社を置く電子機器受託生産(EMS)を行う企業です。2017年の連結売上高は4.7兆台湾ドル(約17.7兆円)と、日本でこの売上に勝てるのはトヨタのみです。鴻海は1974年テリー・ゴウ(郭台銘)が24歳の時に起業。中国の安い労働力を武器にEMSで成長して、巨大な鴻海グループを形成しました。この鴻海は現在シャープの株式を65.93%保持しており、傘下に収めております。この鴻海はなぜシャープを傘下にすることができたのか。

鴻海とシャープの馴れ初め

シャープと鴻海が付き合い始めたのは2000年前後。当時のシャープはノートパソコンの生産をメーカーに外部委託しようと台湾メーカーを物色していて、その中の一つとして鴻海がいました。当時のテリーは「我々は単なる組立やで終わらない」と溢れんばかりの野心を出していたようです。

鴻海とシャープの提携

その約10年後の2010年に堺工場の稼働率が悪化して、液晶事業のてこ入れが急務でした。そこで当時の社長の片山は鴻海との連携に動き出しました。シャープは液晶の特許実施権の許諾契約を鴻海グループの液晶パネル大手である群創光電(イノラックス)と結びました。

その後シャープと鴻海の距離はどんどんと近づきます。しかし当時の会長の町田は鴻海を油断ならないとして、片山に変わって一歩引いて交渉します。そのため積極的な連携が図れませんでした。とは言うものの、この時のシャープは赤字を垂れ流し中で、血(資本)を欲しており、鴻海との提携は避けては通れない状況でした。シャープは2012年に最も出血が酷い堺工場への出資比率を下げて、代わりに鴻海グループが出資を行ってもらいました。さらに鴻海はシャープ本体に対して10%を出資するという案で合意しました。鴻海は堺工場への出資を実現し、堺工場に対して50%の出資をすることができました。しかしシャープ本体への出資はこのとき実現できませんでした。

実現しなかった理由として鴻海(テリー)はシャープの業績が悪化しているのを見て、より有利な条件を出そうとシャープに対して揺さぶりをかけ続けました。例えば、堺工場に対して他社(VIZIO)の出資も受け入れて欲しいだとか、鴻海の出資比率をもっと上げて欲しいなど・・・。シャープもなんとか躱そうとしますが、この煮えきれず、決断が遅いシャープにいらだったのかテリーは「丸ごと買うぞ」と思わぬ本音を漏らしたこともあったようです。

鴻海が接近する理由

鴻海はなぜ、ここまでシャープを欲したのか?鴻海は中国の安い労働力を武器にEMSで成長しました。しかし中国の労働力が高騰しており、この方程式に陰りが見え始めました。そのため鴻海は高付加価値生産へのシフトが求められます。そこで現れたのが高い技術力とブランド力を持つシャープでした。テリーはシャープと鴻海が組めば宿敵のサムスンを倒せると豪語しました。

私は鴻海とシャープの交渉の相性は互いに悪かったと思います。鴻海はトップダウンでテリーが全てを決定します。テリーは相手に決断を急がせて、ある程度まとまったところでも、翌日になったらより有利にならないかさらに詰める中国式の交渉です。逆にシャープはボトムアップで合議でものごとを決定。しかも当時は奥田・片山・町田がバラバラに動いているキングギドラ経営でトップが誰だかわからない状況の時でした。交渉がうまくいかないのも当然かと思います。

サムスンとの浮気?

シャープは鴻海以外にもクアルコム等からも出資交渉も行っておりました。その中でも注目すべきはサムスンでした。サムスンはシャープの複写機事業なども求めてシャープに近づきます。2013年シャープはサムスンから100億円ほどの出資を受け入れました。しかしこの出資に懸念を示したのはもちろん鴻海(テリー)です。鴻海はシャープと一緒にサムスンを倒すと考えていたのに、そのサムスンの出資を受け入れるというのは納得出来ませんでした。

その後、社長は高橋に代わり本格的な改革を行い、シャープはなんとか危機脱出か?ということで支援の話しは少し隠れました。しかし高橋は実情を把握しておらず、単体での再生が不可能になるほどの巨額赤字を計上することになります。

残された道

このときシャープに残された道は二つ、鴻海に助けられるか、産業革新機構に助けられるかの二択でした。

産業革新機構は全部で3000億円規模となり、事業部門ごとに他社と提携切り離して、液晶部門はジャパンディスプレイと、家電部門は東芝の家電部門と統合する大枠でした。経営陣は総退陣、社員の雇用も不透明で、銀行の出資に関しては2000億円の優先株を放棄させ、1500億円のDES追加(債権の株式化)という形でした。

対して鴻海は7000億円規模の出資となり、事業形態は原則現状維持、経営陣・社員も現状維持、銀行出資は2000億円の優先株を簿価で買い取ると約束をしました。

これらを見ると、圧倒的に鴻海の方がメリットが大きいです。逆にシャープは産業革新機構を選択した場合、銀行、株主から訴えられる可能性があり、負ける可能性が高かったようです。

では鴻海一択か?と言えばそうでもありません、産業革新機構の支援に決定すれば国内に技術を保持できます。逆に鴻海が支援することになれば技術が海外に流出する恐れがありました。しかしながら、既にシャープと堺工場を共同運営していのもあり、反論できる余地がありました。結局、産業革新機構ではなく鴻海の支援を受け入れ、鴻海の傘下となりました。

参考にした本↓

 

このときニュース見てたけど

なんで鴻海と?って疑問に思ってたなぁ

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産業革新機構は家電を東芝、液晶をJDIに統合案

ある意味怖いifストーリーだな

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            まあ手を差しのばしてくれるのは

            救う価値があるからだよな

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俺だったら救う価値がないと言いたいのかい?

 

 

シャープのクーデター

日産のゴーン社長の逮捕劇について、クーデターじゃないかと言われておりますが、実はシャープもクーデターがございました。


【ゆっくり解説】しくじり企業 Chapter20 後半 ~シャープ(SHARP)~

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歴代社長の関係性

シャープの2代目社長が佐伯旭で早川の姓ではないから、「親族経営ではない?」と思われるかもしれませんが、厳密にはそうとも言えません。佐伯旭が社長となり、第3代社長の辻晴雄は弟の妻が佐伯旭の子、第4代社長の町田勝彦は佐伯旭が義理の父に当たります。第5代社長の片山幹雄も父親が佐伯氏と親交があったとのことでつながりはありました。ただの親戚なので大きな影響があったかどうかは定かではありません。

地味社長

ドロドロの人事抗争が起きたのが片山社長時代~高橋社長就任までです。片山は「液晶のプリンス」と呼ばれて、社長を10年は務めると見られておりました。しかし、2012年に巨額赤字を計上して、責任を取らざるを得なくなりました。そこで白羽の矢を立ったのが奥田隆司でした。

奥田隆司氏は経歴は十分なのですが、社長候補には一度も挙がったことはなく非常に地味でした。当時、ソニーやパナソニックも社長が交代しました。ソニーはハワード・ストリンガーの四銃士と呼ばれた秘蔵っ子の平井一夫(現会長)、パナソニックは中村邦夫が後継者としていた、津賀一宏(現社長)。この中では奥田氏では物足りなさが出ております。「片山か、片山でないか」のどちらかの派閥争いの結果だっただけでした。

奥田・片山体制

このとき片山は社長を奥田に譲り、自身は会長職に退く意志はあったものの、代表権を残して影響力を残すつもりだった。しかしここに待ったをかけたのが3代目社長で相談役だった辻晴雄。この代表権を残すことに難色を示し、片山を説得。片山は代表権をなくすことを受け入れ、相談役に町田、会長に片山、社長に奥田という体制となります。

しかしこの体制はわずか1年で終わます。シャープはまたも巨額赤字を計上して責任を取る形で奥田が退任。指導力不足による社内の混乱という評価が多かった。誠実な実務家で部長としては優秀だが、トップでシャープを率いることについては疑問視されていましたが、結果はご覧の通りです。

クーデター

この時にシャープはクーデターが起きました。2013年5月に「片山会長退任?」というような記事が出てきます。片山は「俺だけ責任取るのはたまったもんじゃない!全員道連れにしてやる」と憤慨していました。後日シャープの経営陣は北浜の料亭で集まり、今後の体制について話し合います。話し合うというより、副社長だった高橋が奥田に対して退任を迫った形です。奥田はその場での回答を拒否して退席しましたが、後に退任を受け入れます。もうひとりの主役だった片山はどうなったかというと、自宅で電球交換中に足を滑らせて入院して不参加だったようです。

トップへの権限集中

そして高橋が社長に就任して社内の改革が本格的にスタートしました。高橋は動画でもお伝えしました通り、過去の社長達を経営から引き離して、トップに権限を集中させました。(成功したとは言ってない)

この間の内紛がシャープが低迷から脱せなかった大きな要因と評価されております。辻・町田・片山・奥田などの多くの歴代社長が口を出した結果、まとまらず低迷の原因を作りました。

最近とある人の逮捕によってトップに権限を集中するとガバナンスの問題があるというのが言われておりますが、船頭多くてなんとやらでバラバラになるのも決して良くはないというわかりやすい事例だと思います。

 ↓参考にした書籍

 

トップに権限集中するのも良くないけど、

分散しすぎてもダメなことがあるのか

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答えが出ない問題だけど、

その時々によって変えるのもありだと思うがな

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         ところでこのブログの代表は

         俺だよね

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      はあ?

 

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カリスマの落日 カルロス・ゴーン逮捕

日本の経済界に衝撃が走りました。

突然の逮捕

長期にわたってルノー・日産・三菱自動車を率いていたカルロス・ゴーン会長が金融商品取引法違反で逮捕されました。容疑は有価証券報告書の虚偽記載となります。

具体的な虚偽内容はゴーン会長の報酬を約50億円過少申告をした疑いです。有価証券報告書では2015年3月期までの5年間におけるゴーン容疑者の報酬を49億8700万円と記載しておりましたが、実際は99億9800万円との疑いがあるようです。

日産は「当社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められ」とリリースしております。これは投資資金を不正に流用、また経費の不正に使用したとのことでした。

発覚の要因は内部通報を受けて数ヶ月間に渡って調査をした結果、不正が発覚。東京地検特捜部が11月19日に逮捕に至ったようです。

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newsroom.nissan-global.com

あとおまけに代表取締役のグレッグ・ケリー氏も逮捕されました。

記者会見を実施

逮捕された同日の22時に代表取締役社長兼CEOの西川氏が記者会見を行いました。内容は主に株主への謝罪、ガバナンスの欠如によるものだったということで、捜査中のため新規の情報はあまり出ませんでした。

負債2兆円を抱えて瀕死だった日産にルノーから送り込まれたカルロス・ゴーンは見事立て直し、カリスマとして注目を集めました。ルノー・三菱自動車の会長を兼務をしており、第一線から離れたと言われておりますが、未だに日産自動車の顔でした。記者会見でも西川氏はガバナンスの欠如を認めており、日産自動車内でのゴーン氏の権力集中があったことが窺えます。

元々ゴーン氏の報酬は高すぎるという批判が多く、批判を回避する為に今回のようなことが多かったのでは?という意見がありました。また「背後にもっと大きな事件があるのでは?」などといろいろな噂が飛び交ってますが、今後の捜査で詳細が判明すると思いますので、じっくりと待ちたいと思います。世界でも屈指の経営者の突然の逮捕劇なので、いろんなメディアが面白おかしく取材すると思いますし。

 

カルロス・ゴーンが逮捕ってまじ!?

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未だに日産といえばゴーンだからな

世界の第2位の会長が逮捕は衝撃的だな

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          どうする動画作る?

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ただの字幕動画ぐらいしか作れないぞ・・・

 

調査報告書みたいなのが出たらやるかも・・・。

 

シャープはなぜ液晶に注力したのか?

どうも係長です。ブログって本気で書くと時間がかかるので、書き始めるのに戸惑う。ということでシャープの補足です。

ブラウン管の敗戦

シャープはラジオを主力として戦い、ラジオから電卓、液晶へと戦場を移していきました。多くの人のシャープのイメージは尖った商品が多くて魅力はあるが、ブランド力ではソニーや松下電器(現パナソニック)には勝てないメーカーだと思います。大手メーカーではありますが、1.5流・2流という立ち位置ですね。

そのブランド力の弱さが最も影響していると思われるのがテレビです。日本で初めてテレビの量産化に成功して、テレビの浸透期には法人への販売などでシェアを伸ばしサービスも拡充させました。

しかしながらテレビの心臓とも言うべきブラウン管は他社製のもの。いくら技術を極めようともブラウン管が自社製ではないシャープはアセンブリ(組立)メーカーと揶揄されておりました。それ故にシャープは主軸となる技術を求めます。そんな時に常務の佐伯が、若手の社員から新しい技術として半導体があることを聞きつけます。佐伯は説明を聞いてすぐに半導体などを研究する施設として中央研究所を設立します。この半導体の研究が電卓や、後の主軸となる液晶の発展へと繋がります。

中興の祖 佐伯旭

話はちょっと変わりますが、動画のコメントを見ていると創業者である早川氏の評価は高かったのですが、2代目社長の佐伯旭もシャープに大きな影響を残して中興の祖と呼ばれた佐伯氏について解説します。経理出身でありながら、早川氏に見いだされ1959年に専務取締役に就任して、早川氏から実質経営を任されました。技術確立の為に大きな投資をして研究所を設立し、半導体、液晶、シリコン太陽電池、電卓、日本語ワードプロセッサーなど様々なものを開発することができました。1970年の社長就任時に社名もシャープに変え、電気屋から総合エレクトロニクスメーカーへ見事転身を果たします。その後も高い技術開発力、消費開発力、販売戦略、財務体制など様々な経営戦略に成功します。日本の高度経済成長期を代表する経営者の一人で、個人的には早川氏より佐伯氏のほうが興味あります。

 

液晶への注力

話しを液晶に移します。液晶の実用化は非常に困難を極めました。90年代になっても実装できる製品は一人で使用するPCのモニターが限界でした。テレビにスーファミをくっつけるなど奇抜な商品を作っておりましたが、相変わらずブランド力がなく、90年代に行った電機業界内でのブランド力は7位で、ヒット商品がそこそこでも顔の見えない会社と揶揄されてました。

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(SHARP 公式twitterより)

当時の社長である営業畑の町田社長にとって、この想いは特に強かったと思います。それ故に、シャープのブランド力の向上は課題でした。他の主力事業で今後も伸びると言われている半導体に関しては、確実に利益を出しますが世界の中でも20位程度。今後の投資額も考慮すればシェアを伸ばすのは困難でした。これらのことから、まだ事業として成り立つかわからない液晶に全てを賭ける決断を下しました。社内からは反対の声が大きく、町田社長は切り捨てる半導体の社員を中心に説得することに奔走しました。町田社長はこの時期が一番つらかったとおっしゃってます。

これらから、シャープの液晶への注力は並大抵な決断ではなかったことがわかります。シャープの肝いりだったAQUOSも大ヒットを飛ばし、世界に類を見ない垂直統合モデルの亀山工場も大成功となり、シャープは一時期栄華を極めました。

 

このスーファミ内蔵テレビは

電機屋で唯一ゲーム画面が写ってるテレビで

すっげー目立ってたし、欲しかったな~

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シャープや三洋が先に商品を開発して、

松下電器が改良して安く販売するがテンプレだったな

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       やっぱ後から出てきた安い方買っちゃうよね

       シャープって地雷商品も多いし

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お前公式から怒られるぞ

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