世間では業績が上向き、好決算のニュースが飛び交うなか、カドカワだけ向かい風が吹いているようです。
予測修正
4月26日にカドカワは去年の5月11日に発表した連結業績予想を修正しました。
【修正前】
売上高:2120億円
営業利益:58億円
経常利益:62億円
純利益:35億円
【修正後】
売上高:2067億円
営業利益:31億円
経常利益:37億円
純利益:10億円
修正理由がポータル事業で有料会員数が期初より減少していることに加えて、スマートフォン向けサービスが遅れていることが主な理由とのこと。映像事業も一部ヒットを飛ばせたが、概ね計画を下回った用です。
ギリギリまで決算を行う企業であれば、現在は子社の数字がある程度判明して、全体の業績が見えているころで、監査中で減損の指摘などがなければ上記の数字でほぼ確定だと思われます。
修正内容の分析
第3四半期の決算資料ではWebサービスの進捗率が69.8%、出版・映像・ゲームが73%弱程度で、営業利益に関して、全体の進捗率は50.7%というような状況、Webサービスに関してては8.7%とほぼ計画達成は不可能だとはわかっていたので、この下方修正自体はある程度見込んでおりましたが、ここまで下ぶれるとは思いませんでした。
第3四半期時点では29億円の営業利益だったにも関わらず、残りの四半期で2億円の利益しか積めなかったということは、業績はどんどんと悪化しているとみられても仕方がないと思います。カドカワの開示次第だと思いますが、特にWebサービスのが深刻で恐らくはセグメント別の利益では赤字だと思います。(第3四半期単体では▲2.5億円の赤字)
この要因はニコニコ動画のプレミアム会員数の減少を言っております。ニコニコのプレミアム会員数は256万人でピークアウトして去年末で214万人減少しております。およそ16%の減少ですが、売上にすると毎月2.1億円、年間にすると25億円の減少となります。こういうWebサービス系は損益分岐点が高い傾向にあり、動画サービス事業はまさに典型とも言えます。なので売上が減少すれば加速度的に損失が増えます。
カドカワの戦略予想
カドカワは恐らくニコニコの動画自体にはもうYoutubuとかの競合に勝てないと実感しているのだと思います。なので、フルHDの対応など現行で必要な部分のみに絞って改良して、あとはチャンネルの有料会員で顧客単価を高める狙いだと思います。今後は配信業に重きをおいて配信者を増やすのだと思います。ニコニコとYoutubeの両方で配信をやってはおりますが、スペックはYoutubeの方が上ですが、文化的にはニコニコの方が定着しております。なのでクレッシェンドは生放送の強化に重きを置いたのだと思います。
ニコニコ動画はどうなる?
ここからは私の考えとなりますが、今後のニコニコ動画は正直ジリ貧でどんどん小さくなって、Webサービスを維持できなくなって手放すほかないと思います。逆に規模を上げるには配信者やクリエイターに来てもらう仕組みを作り直すしかないと思います。現状のクリエイター奨励プログラムだけではクリエイターは増えません。
Webサービスの機能を拡充するのにも限界がありますし、それこそYoutubeには勝てません。川上さんは以前、ニコニコにマネタイズはあわないとは言いましたが、それであれば続けられません。クリエイター側も収益がつけられれば予算がありますし、モチベーションも変わります。さらに、仕事以上の収入が上がれば時間を多く割こうと思うようになります。
有料会員による顧客単価を上げることについても、この戦略は新規流入者があることが前提なので、新規ユーザーを獲得できないのであれば、すぐに下降していくと思います。
一応私はYoutubeとニコニコの両方にアップしておりますが、かなりの機会損失を出しております。もちろんYoutubeだけだったらここまでうまくいかなかった可能性がありますが・・・。ただそれでも時期をずらしても動画を上げてるのは基本的にニコニコが好きなのが理由です。逆にそれだけニコニコを好きじゃなきゃ動画を上げる人は少ないと思います。
今頃予測を修正って予測の意味ないじゃん
Web事業が相当足を引っ張ってるな
ユーザーが戻らないともっと酷くなるだろうし
今年中になんとかできなきゃ
多分本気で手放さなきゃいけなくなるよ
ずばっと言うな
超会議が前年より増えたというのが唯一の好材料でしょうかね・・・。